ハワイ王国滅亡からアメリカに併合されるまでのハワイの激動期に活躍した法律家,政治家。アメリカ人プロテスタント宣教師の子としてホノルルに生まれた。1866年にアメリカに渡って,マサチューセッツ州ウィリアムズ・カレッジで法律を学び,68年に弁護士資格を得てハワイに戻った。改革派の一員として84年と86年にハワイ議会に選出され,87年王権縮小運動のリーダーになると,カラカウア王(在位1874-91)に新憲法を認めさせ,さらに王の任命を得て最高裁判事になった。93年カラカウアの妹のリリウオカラニ女王(在位1891-93)がアメリカの圧力で退位させられ,ドールはアメリカへの併合を目ざす臨時政府の大統領となった。女王復位をアメリカが計るとこれを内政干渉だとして拒否し,翌94年に成立したハワイ共和国の大統領に就任した。98年アメリカのハワイ統治法案起草に参加し,1900年正式にアメリカに併合されるとハワイ准州初代知事になった。1903年からはハワイ連邦地方裁判所判事を2期務めた。
執筆者:石川 栄吉+斉藤 尚文
アカオオカミ(英名red dog)とも呼ばれる。食肉目イヌ科の哺乳類。シベリアのアルタイ山脈から中国,朝鮮半島,ジャワ,インドまで分布。体長88~113cm,尾長40~50cm,肩高42~55cm,体重10~21kg。オオカミに似るが,尾が太く長く,吻(ふん)が太く短く,歯は1対少なく,40本で裂肉歯が鋭い。体毛は熱帯のものでは短く,濃橙色で尾の大部分が黒色だが,寒帯のものでは冬毛が長く,淡黄褐色。適応力が強く,熱帯雨林から高山帯まで見られ,他の動物が捨てた穴や岩の割れ目などにすむ。夜はそこで休み,朝早くに集合して5~12頭,ときに40頭くらいの群れをなし,おもに午前7~8時と午後5~6時ころ,狩りをする。獲物はシカ,イノシシ,野生のヒツジやスイギュウだが,気が荒くクマやヒョウの獲物を横取りすることがある。またまれにトラをも殺すという。秋から冬が交尾期で妊娠期間60~62日,1産4~6子がふつう。寿命は飼育下で15~16年の記録がある。
執筆者:今泉 忠明
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
哺乳(ほにゅう)綱食肉目イヌ科の動物。アルタイ、ウスリー地方、朝鮮半島、中国からインド、スマトラ島、ジャワ島までの森林に生息する。オオカミに似るが、毛が赤色を帯びアカオオカミ(赤狼)ともいう。体長85~100センチメートル、尾長40~48センチメートル、肩高40~50センチメートル、体重15~20キログラム。オオカミより尾が太く長く、歯が1対少なく40本。体毛は赤褐色で尾が黒い(寒冷地のものの冬毛は黄白色)。性質が荒く、5~12頭の群れで昼間おもにシカ類を狩るが、ネズミ、トカゲその他の小動物、液果(多肉果)、腐肉も食べる。11月~翌4月に平均8子を産み、雌親と子に群れの成獣数頭が食物を吐き出して与える。妊娠期間60~62日。
[今泉吉典]
フランス東部、ジュラ県の副県都。ドブス川とローヌ・ライン運河に沿う。人口2万4949(1999)。旧市街の中心にノートルダム教会(16世紀)がある。生化学者パスツールの生家や15~18世紀の古い家並みが残る。道路と鉄道の要衝。機械、電気、衛生用陶器、既製服などが生産される。有史以前の遺跡がある。
[大嶽幸彦]
出典 小学館の図鑑NEO[新版]動物小学館の図鑑NEO[新版]動物について 情報
…とくにヒンドゥー的要素を残した低いカーストに位置づけられる専業音楽家集団が数多く存在し,旅芸人的に各地を巡っている。これらの影響によるためか,平野部における土着の音楽は比較的素朴で,両面大太鼓のドール(あるいはダーダン)と縦笛スルナイの組合せ,擦弦楽器サーランギー,またハルモニウムや横笛バンスリーなどが使用されている。民俗音楽の主流は無伴奏の歌唱で,麦刈りなどの労作歌をはじめ抒情的な歌が多い。…
…毛色はふつう灰黄褐色であるが黒色の個体もまれでない。朝鮮名のヌクテイは本亜種のほかドールにも用いられる。ヨーロッパからシベリア南部を通りアムールまでの森林地帯にすむヨーロッパオオカミC.l.lupusは,さらに大きく肩高67~83cm,体側毛は5cm前後で前亜種と異ならないが,毛色は灰褐色で黄色を帯びない。…
※「ドール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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