広義には人や事物、科学的な発見(事物・事象)などに命名することのできる権利をいう。新発見の元素や天体の場合は発見者に、生物の場合は一般的に論文の記述者に命名権がある。最近では、人の多く集まるスポーツ施設(野球場やサッカー場)や文化施設(音楽ホールや文化センターなど)に、企業名や商品名をつける権利を、とくにネーミングライツとよんでいる場合が多い。施設の所有者は命名権を企業などに譲渡することで企業から資金を得ることができ、命名権を獲得した企業は、施設への命名によって、メディアなどを通じて広く企業名や商品名をPRすることができる。
従来からイベントなどにスポンサー名をつけるなどのネーミングライツは存在したが、施設そのものの命名権の売買は、1970年代にアメリカで生まれ、90年代後半からビジネスとして成立してきた。日本初のネーミングライツによる施設の命名はサントリー東伏見アイスアリーナ(1997~2006)、公営施設としては味の素スタジアム(2003~)が最初である。
[編集部]
(原田宗彦 早稲田大学教授 / 2007年)
(高橋郁夫 慶應義塾大学教授 / 2008年)
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報
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