ネーミングライツ(読み)ねーみんぐらいつ(英語表記)Naming Rights

デジタル大辞泉 「ネーミングライツ」の意味・読み・例文・類語

ネーミング‐ライツ(naming rights)

名前をつける権利。特に、球場劇場などの施設名称をつける権利。施設所有者が企業などに販売することが多い。命名権

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精選版 日本国語大辞典 「ネーミングライツ」の意味・読み・例文・類語

ネーミング‐ライツ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] naming rights ) 命名権。スポーツ施設などにスポンサーの企業名・商標名などを冠することのできる権利。また、そのような広告手法。一九八〇年代以降、米国で発達した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ネーミングライツ」の意味・わかりやすい解説

ネーミングライツ
ねーみんぐらいつ
Naming Rights

広義には人や事物、科学的な発見(事物・事象)などに命名することのできる権利をいう。新発見の元素天体の場合は発見者に、生物の場合は一般的に論文の記述者に命名権がある。最近では、人の多く集まるスポーツ施設(野球場やサッカー場)や文化施設(音楽ホールや文化センターなど)に、企業名や商品名をつける権利を、とくにネーミングライツとよんでいる場合が多い。施設の所有者は命名権を企業などに譲渡することで企業から資金を得ることができ、命名権を獲得した企業は、施設への命名によって、メディアなどを通じて広く企業名や商品名をPRすることができる。

 従来からイベントなどにスポンサー名をつけるなどのネーミングライツは存在したが、施設そのものの命名権の売買は、1970年代にアメリカで生まれ、90年代後半からビジネスとして成立してきた。日本初のネーミングライツによる施設の命名はサントリー東伏見アイスアリーナ(1997~2006)、公営施設としては味の素スタジアム(2003~)が最初である。

[編集部]

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知恵蔵 「ネーミングライツ」の解説

ネーミング・ライツ

1980年代以降、米国で定着した、主としてスポーツ施設の建設・運用資金調達のための手法。施設の名称にスポンサー企業の社名やブランド名を付与する、広告概念。現在の命名権取引では、施設所有者とスポンサー企業が直接取引を行うケースと、施設所有者とフランチャイズ契約を結んだプロチームがスポンサー企業と直接取引を行うケースの、2種類がある。前者は、施設所有者の多くが公共団体であるため、施設収入を増やし納税者の負担を軽減することが目的。後者の場合、プロチームは従来のチームスポンサーからの収益を確保しつつ、命名権販売によって新たな収入源を得ることができる。スポンサー企業には広告効果と、従業員に対する無料チケットの割り当てといった福利厚生上のメリット、他の飲料メーカーやレストランに納入権を与えるビジネス機会、施設内でのイベントを通した販促等のプロモーション機会が与えられる。2003年3月には、東京スタジアムと味の素との間で日本で初の契約が結ばれ、スタジアムの名称が味の素スタジアムに変わった。契約は5年間で、金額は12億円(総額)。

(原田宗彦 早稲田大学教授 / 2007年)


ネーミング・ライツ

スタジアムやアリーナ等のスポーツ施設に、スポンサー企業の社名やブランド名を名称として付与する権利で、「命名権」とも呼ばれる。米国では1990年代後半から、急速に広まり、野球場やアメリカンフットボール場の多くがスポンサー名の付いたものに変わった。ちなみに、シアトル・マリナーズが本拠地をおく「セーフコ・フィールド」は保険会社名が冠せられている。日本では、東京スタジアム(調布市)が2003年3月1日より5年間の契約(12億円)で「AJINOMOTO STADIUM」という名称に変わり、これが国内の公共施設としては初の事例といわれている。

(高橋郁夫 慶應義塾大学教授 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

ASCII.jpデジタル用語辞典 「ネーミングライツ」の解説

ネーミングライツ

スポーツ施設にスポンサーとなる企業名やブランド名を付ける権利。命名権。これによって施設所有者が建設や運営維持にかかる資金を得られることになる。アメリカではメジャーリーグなどさまざまなスポーツのスタジアムが命名権を導入し、施設使用料だけに頼らず安定した収入を得ている。東京都調布市の「味の素スタジアム」は、石原慎太郎東京都知事が日本で初めてネーミングライツを導入すると発表し、味の素が5年間12億円の契約で買い取り、2003年3月からこの名前が使われている。

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