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ハウエルズ Howells, William Dean

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ハウエルズ
Howells, William Dean

[生]1837.3.1. オハイオ,マーティンズフェリー
[没]1920.5.11. ニューヨーク
アメリカの小説家,批評家。植字工,新聞記者などをしながら独学,イギリス,ドイツ,スペインの文学に親しんだ。 1860年にリンカーンの選挙用の伝記を書いたことがきっかけで,61~65年ベネチア領事をつとめた。帰国後『アトランティック・マンスリー』誌の編集にたずさわり (1866~81) ,処女作『彼らの新婚旅行』 Their Wedding Journey (72) に続いて,『卑近な実例』A Modern Instance (82) ,ボストンを舞台に上流階級の仲間入りをはかる新興成金の姿を写実的に描いた『サイラス・ラパムの出世』 The Rise of Silas Lapham (85) などを発表。 86~92年『ハーパーズ・マガジン』の編集に参加,独特のリアリズム文学論を提唱,評論集に『批評と虚構』 Criticism and Fiction (91) などがある。後期の作品は,時代風潮やトルストイなどの影響から,キリスト教的社会主義の色彩の濃いものが多い。『アニー・キルバーン』 Annie Kilburn (89) ,『運命の浮沈』A Hazard of New Fortunes (90) ,『アルトルーリアから来た男』A Traveler from Altruria (94) など小説 35編をはじめ,戯曲 35,詩集4,評論6,その他 34冊の著書があり,H.ジェームズや M.トウェーンらと親交を結び,また S.クレーン,H.ガーランド,F.ノリスら多くの新人作家を見出したことでも知られ,アメリカ文学の「大御所」 Deanと称された。微温的な限界はあるが,性格描写や日常的な現実の描写にすぐれ,リアリズム文学の理論家,実践者として高く評価される。

ハウエルズ
Howells, William White

[生]1908.11.27. ニューヨーク
[没]2005.12.20. メーン,キタリー岬
アメリカの自然人類学者。 1934年にハーバード大学で博士号を取得したあと,ニューヨークのアメリカ自然史博物館の調査員,ウィスコンシン大学教授を経て,1954~74年ハーバード大学の教授を務めた。この間に多くの研究者を育成し,多変量解析の方法を自然人類学の諸問題に適用して,数々の業績をあげた。そのなかでも特筆される研究に,ヨーロッパ,アフリカ,アジア,オセアニアの 17の人類集団の頭蓋の計測結果を比較し,1973年に発表した「人類における頭骨変異:近年の人類集団間の変異形態の多変量解析研究」がある。また古人類学の分野に関しても,すぐれた論文を多数発表した。主著に『人類の進化』 Mankind in the Making (1959,1967) ,『人類における頭骨の変異』 Cranial Variation in Man (1973) などがある。

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百科事典マイペディアの解説

ハウエルズ

米国の作家。植字工出身。新聞記者などを経て,1960年から領事としてベネチアに行き西欧文学を学ぶ。帰国後《サイラス・ラパムの向上》(1885年),《批判とフィクション》(1891年)等の小説や評論を発表,またガーランド,S.クレーン,F.ノリスらの新人を発掘し,リアリズム文学の基礎を築いた。

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世界大百科事典 第2版の解説

ハウエルズ【William Dean Howells】

1837‐1920
アメリカの小説家,批評家。マーク・トウェーン,ヘンリー・ジェームズとともに19世紀アメリカ・リアリズム文学を代表する。オハイオ州に生まれ,父の印刷所で活字を拾いながら文学修業を積み,1865年,あこがれの東部文壇の中心ボストンに出て,中西部出身者としては初めて東部を代表する雑誌《アトランティック・マンスリー》の編集長となった。生涯に35の長編を含む膨大な作品を発表するとともに,有力な批評家としても重きをなし,リアリズム文学のために論陣を張った。

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大辞林 第三版の解説

ハウエルズ【William Dean Howells】

1837~1920) アメリカの小説家・批評家。リアリズム文学を主唱。代表作「サイラス=ラパムの向上」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハウエルズ
はうえるず

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世界大百科事典内のハウエルズの言及

【アメリカ文学】より

…彼の最高傑作《ハックルベリー・フィンの冒険》(1885)は,自由と秩序,自然と文明などのアメリカ的テーマを集約しつつ無垢(むく)な少年の運命を語り,のちにヘミングウェーをして〈すべての現代アメリカ文学は《ハックルベリー・フィン》という1冊の本に由来する〉と言わしめた。 リアリズム全盛時代の文壇の大御所はW.D.ハウエルズである。彼は《アトランティック・マンスリー》誌の編集者などとしてトウェーンやH.ジェームズらの作品を世に送り出したばかりか,ノリス,S.クレーンなどの若い作家の育成にも努めた。…

※「ハウエルズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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