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ハゲワシ(英語表記)old world vultures

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ハゲワシ
old world vultures

タカ目タカ科のハゲワシ亜科とヒゲワシ亜科の鳥の総称。16種からなり,大型で全長が 1mをこす種もある。頭頸部か頭部は名のように皮膚の裸出する種が多いが,一部の種は綿羽で覆われている。大部分がヨーロッパ南部,アフリカ,南アジアに分布するが,ヒマラヤハゲワシ Gyps himalayensis中央アジアから中国西部に,クロハゲワシはヨーロッパから東アジアに及ぶ。ほとんどの種は動物の死肉を主食とする。大きな死肉には何種も集まり,強い種から順に獲物を食べるため,食べる部位が種によって異なる。ヒゲワシなどは骨髄が主食で,大きな骨は 100m以上も上空から落として割る。死肉のほかに生きた哺乳類や昆虫類,爬虫類などを食べる種もある。エジプトハゲワシは石をくわえてダチョウの卵にたたきつけたり,上から落とすなどして割って食べる。ヤシハゲワシ Gypohierax angolensis はアブラヤシの実が主食である。(→ワシ猛禽類

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百科事典マイペディアの解説

ハゲワシ

タカ科の鳥のうち,ユーラシアとアフリカに分布し,おもに腐肉を食べる習性をもつものの総称。大型で,頭と首の皮膚が露出しているものが多い。くちばしにくわえた石でダチョウの卵を割る習性で有名なエジプトハゲワシ,シロエリハゲワシなど6属15種が含まれる。日本ではユーラシアに分布するクロハゲワシが迷鳥として記録されている。形態や生態が似た新世界のコンドル類は分類学的には離れており,科が異なる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハゲワシ
はげわし / 禿鷲
vulture

鳥綱タカ目タカ科に属するハゲワシ類の総称。この仲間には14種があり、アフリカ、ユーラシア南部に分布し、日本にはクロハゲワシAegypius monachusが迷鳥としてごくまれに渡来する。ハゲワシ類はいずれも大形で、全長約60~115センチメートル、翼開長は2.7メートルにも達する。体は灰褐色や黒褐色のものが多く、頭部には羽毛がない。嘴(くちばし)は先が鉤(かぎ)形に曲がって鋭いが、足指のつめは短い。主食は動物の死体で、砂漠や草原の上を飛びながら餌(えさ)を探す。大形の哺乳(ほにゅう)類の死体には、何種ものハゲワシ類がたくさん集まるが、嘴の太さが種によって異なり、種間で食べ分けをしている。ハゲワシ類には、シロエリハゲワシ、コシジロハゲワシなどがあり、エジプトハゲワシは、石をくわえてきてダチョウの卵に当てて割る習性をもち、道具を使う鳥として知られる。日本で記録のあるクロハゲワシは全長1メートル、全身黒褐色で大きい翼をもち、尾は短い。
 ハゲワシ類の英名vultureは、南北アメリカに分布するコンドル科の鳥をさすときにも使われることがある。両者は形がよく似ているが、分類上は異なったグループである。なお、ハゲタカということばは動物の死体に群がるワシタカ類の一般的な呼称で、ハゲワシ類、コンドル科の鳥の両方に用いられる。[高野伸二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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