コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

ハヌマンラングール Presbytis entellus; Hanumān langur

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ハヌマンラングール
Presbytis entellus; Hanumān langur

霊長目オナガザル科。体長 75cm,尾長 90cm内外。体はほっそりしており,四肢も細長い。顎が突き出ている。体は灰白色で,顔,四肢が黒い。植食性で,おもに木の葉を食べる。1頭の雄と複数の雌および子から成る 20~30頭の群れで生活し,あぶれた雄は雄グループをつくる。動作は敏捷で,木登り,地上の歩行ともにうまい。インドでは雌ウシとともに,神に仕える神聖な動物として大切にされ,寺院などでよく見かける。インド,スリランカに分布する。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ハヌマンラングール【Hanuman langur】

ハイイロヤセザルともいう。インドを中心に,北はヒマラヤ山系から,南はスリランカに至る幅広い環境下に生息する霊長目オナガザル科の旧世界ザル(イラスト)。〈ハヌマーン〉はヒンドゥー教の神猿〈ハヌマット〉で,このサルは,現在でもインドにおいて神聖視されている。体色は灰色で腹部だけクリーム色。顔と手足の毛のない部分は黒い。生後2ヵ月半ごろまでの子どもの体色は黒く,顔と手足はピンクである。頭胴長は雄が42~79cm,雌が43~70cm。

出典 株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハヌマンラングール
はぬまんらんぐーる
Hanuman langur
[学]Presbytis entellus

哺乳(ほにゅう)綱霊長目オナガザル科の動物。名前はインドの叙事詩『ラーマーヤナ』の神猿ハヌマンに由来する。ヒマラヤ山系以南のインド亜大陸全域とスリランカに分布し、多様な環境に適応している。ほっそりとした体格をもち、成獣の体毛は灰色なのでハイイロヤセザルともいう。体長70センチメートル、尾長100センチメートルになる。新生子の顔はピンクで体毛は黒い。食物は木の葉が主食である。個体群密度が高い地域では15~25頭の単雄群が多く、密度が低い地域ではより大型の複雄群が多くみられる。前者の場合、群れは4、5年に1回の割合で、群れに所属しない雄によって乗っ取られ、そのとき、乗っ取りに成功した雄は、群れの赤ん坊を全部かみ殺すという子殺しが知られている。[川中健二]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典内のハヌマンラングールの言及

【嬰児殺し】より

捨子(すてご)溺女人柱間引き【横山 広子】
[動物の子殺し]
 動物界,少なくとも哺乳類では同種内の個体間で殺し合うことはその種にとって不利益であり,そのような行動様式が進化の中で残ってきたはずがないというのが,動物行動学の常識であった。特殊な一事例でなく地域の個体群全体に広く種内子殺しの存在することが正確に観察・記録されたのは,1962年インド亜大陸に生息する野生のハヌマンラングールというサルの1種においてであった。この報告はしばらくの間特殊環境における異常行動の例として軽視されてきたが,70年代に入って他地域のハヌマンラングールでも追認され,さらに東アフリカのライオンでも確認されるに及んで,生物進化における意義も問われるようになった。…

【サル(猿)】より

… とはいえ,古代から現代に至るまで一貫して猿を神聖視しているのはインドであろう。なかでもハヌマンラングールは,古代叙事詩《ラーマーヤナ》に登場する神通力の持主ハヌマット猿将のモデルとして神聖視されている。《ラーマーヤナ》が伝わった東南アジア各地でも同様である。…

※「ハヌマンラングール」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社日立ソリューションズ・クリエイト世界大百科事典 第2版について | 情報

ハヌマンラングールの関連キーワードナンダデビ国立公園ハイイロヤセザルラングール子殺し