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発情 はつじょうestrus; oestrus; heat

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

発情
はつじょう
estrus; oestrus; heat

性的に成熟した動物交尾欲を発現する生理的状態。普通の動物では,一年の一定の時期にのみ周期的に現れる。それぞれ雌性ホルモン雄性ホルモンによって引起される。雌では発情中または発情が終ったのち排卵が行われる。排卵後,卵胞内に黄体が現れ,黄体は発情を抑制する。動物には交尾の有無にかかわらず排卵が行われるものと,交尾による機械的刺激によってホルモンが分泌され,排卵が行われるものとがある。

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デジタル大辞泉の解説

はつ‐じょう〔‐ジヤウ〕【発情】

[名](スル)成熟した動物、主に哺乳類が交尾可能な状態にあること。人間以外では繁殖期に限られ、性ホルモンにより誘発されるが、人間では大脳皮質に大きく左右される。「発情した犬」「発情期」

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百科事典マイペディアの解説

発情【はつじょう】

性的に成熟した動物が交尾可能な生理的状態になること。哺乳(ほにゅう)類特に雌のその状態をいうことが多い。ヒトを除いて哺乳類繁殖期に限って発情し,発情した雌には,外陰部充血や腫張,粘液排出放尿,独特のなき声などの徴候が見られる。

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世界大百科事典 第2版の解説

はつじょう【発情 estrus】

さかり(heatまたはrut)〉ともいう。広義には動物が交尾可能な生理状態にあることをいうが,狭義には成熟した哺乳類の雌が,の接近を許し,交尾に応じることのできる生理状態にあることをいう。以下では狭義の発情について論じる。発情の厳密な判定は,精管結紮(けつさつ)した雄を近づけるなどの方法により,雄との交尾行動の成立をみることによってなされるが,実際的には,発情にともなう性的行動や,陰部などの外的所見の特徴的な変化(外部的発情徴候)によって判断される。

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大辞林 第三版の解説

はつじょう【発情】

( 名 ) スル
主に哺乳類の性的に成熟した動物が交尾可能な生理的状態になること。性ホルモンの影響による。ヒト以外では繁殖期だけに限定され周期的に繰り返しあらわれる。さかり。
ある感情があらわれ出ること。 「傍聴席に在る人民は其-を忍び得ざりしと見え/経国美談 竜渓

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

発情
はつじょう

動物が交尾可能な生理的状態にあることをいうが、おもには哺乳(ほにゅう)類の雌が形態的、生理的、行動的に雄との交尾を許容する状態をよぶ。哺乳類には季節的な繁殖期の存在するものが多い。また繁殖期のなかでも、発情期と発情間期が交互に周期的にくるものがある。一般に発情期に排卵するものが多いが、ウサギでは交尾の3時間後、ネコでは26時間後、イタチでは30時間後に排卵する。発情期ののちにイヌでは数か月、コウモリでは1年近くの休止期がくる。ネズミでは4~5日に1回の発情がくるが、照明や温度を一定にしておくと、一年中この短い発情周期が繰り返される。1922年にアメリカの動物学者ロングJ. A. LongとエバンズH. M. Evansは、ラットの発情周期には発情前期、発情期、発情後期、発情間期の各ステージがあり、腟(ちつ)壁の剥離(はくり)した細胞形態から容易にこれらの状態が判断できることを発見した。腟壁から遊離した細胞、白血球、粘液などを腟脂膏(しこう)(腟スメア)vaginal smearという。発情前期から発情期にかけて、下垂体の生殖腺(せん)刺激ホルモンの分泌が高まり、これに刺激された卵巣から発情ホルモンが分泌される。発情ホルモンは腟や子宮を刺激するとともに、雌の性行動も誘起する。発情期のラットでは夜間の行動量が増え、雄と出会うと耳を震わせたり跳ねたりして雄を誘う。発情期の腟から出るフェロモンのにおいで、雄は興奮して交尾行動に移る。雄が雌の背中にのると、雌はロードーシスlordosis(脊椎前彎(せきついぜんわん))をしてこれに反応する。ロードーシスは雌が発情しているときだけみられる交尾姿勢で、前肢を曲げ体前半を低くして、腰をあげ背を反らすものである。発情間期の雌は、ロードーシスはもちろん、雄を背乗りさせることもしない。テンジクネズミ(モルモット)では発情期にだけ腟口が開き、発情間期には腟膜ができて腟口が閉じる。[高杉 暹]

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