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ハロゲン化 ハロゲンか halogenation

翻訳|halogenation

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世界大百科事典 第2版の解説

ハロゲンか【ハロゲン化 halogenation】

有機化合物に1個またはそれ以上のハロゲン原子を導入する反応で,ハロゲンの種類によって,フッ素化,塩素化(クロル化),臭素化(ブロム化),ヨウ素化などと呼ばれる。(1)フッ素化 有機化合物のフッ素化は,近年薬理活性化合物との関連で,きわめて多くの反応が開発されている。(2)塩素化 工業的には塩素化が最も重要であり,多くの反応が開発されている。アセチレン塩化水素付加反応により生成する塩化ビニル塩化ビニル樹脂の原料である。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハロゲン化
はろげんか
halogenation

ハロゲン(塩素Cl、臭素Br、フッ素F、ヨウ素I)とハロゲン以外の原子との新たな結合を生じさせること。フッ素化、塩素化、臭素化、ヨウ素化の総称。ただし、ハロゲン化物のハロゲンを他種のハロゲンで置き換えるのはハロゲン交換反応といい、ハロゲン化とはいわない。
 無機化学では、ハロゲン化とよぶことは少ないが、アルミニウム、リン、硫黄(いおう)などの元素と塩素や臭素との直接反応によって、それらの元素の塩化物や臭化物を得る場合がハロゲン化にあたる。

しかし、三酸化硫黄とハロゲン化水素との反応で、ハロゲン化スルホン酸をつくる反応は、普通はハロゲン化とはよばない。

 他方、有機化合物中の無機残基の一部をハロゲン原子で置換する場合はハロゲン化とよぶ。[加治有恒・廣田 穰]

ハロゲン化の種類

有機化学では、主として炭素原子とハロゲン原子の結合を生成する反応行程をハロゲン化とよぶ。工業的には塩素化がもっとも重要で、フッ素化、臭素化、ヨウ素化がこれに次ぐ。[加治有恒・廣田 穰]
塩素化
塩素原子を導入する行程をいう(図A)。反応の形式として、付加反応と置換反応の2種類がある。
 付加は不飽和結合(二重結合、三重結合)に塩素または塩化水素を付加させる反応で、エチレンと塩素から1,2-ジクロロエタン、アセチレンと塩化水素から塩化ビニル、ベンゼンと塩素からヘキサクロロシクロヘキサン(BHC)を得る反応がこの例である。ベンゼン環への塩素の付加は光照射が必要である。
 置換では、分子状塩素Cl2によるメタンの塩素化がある。この反応には光照射が必要で、メタンCH4の四つのHは順次Clに置換されるので、塩化メチルCH3Cl、ジクロロメタンCH2Cl2、クロロホルムCHCl3、四塩化炭素CCl4が得られる。
 エタノール(エチルアルコール)と塩化水素から塩化エチルを得る反応では、エタノールC2H5OHのOH基が塩化水素HClのClにより置換されている。

 塩素化には、塩素や塩化水素以外に、塩化チオニルや次亜塩素酸塩などいろいろな塩素化剤が用いられている。
 芳香族化合物に鉄粉、塩化鉄()、塩化アルミニウム(無水物)などのルイス酸触媒の存在下で塩素を作用させると塩素化がおこる。工業的にベンゼンからクロロベンゼンを合成するのに、この方法が応用されている。実験室で芳香族塩素化合物をつくるにはザンドマイヤー反応によることが多い。[加治有恒・廣田 穰]
フッ素化
化合物中にフッ素を導入する反応行程(図B)をいい、現在おもに使われているのは次の方法である。
(1)炭化水素にフッ素ガスを反応させて水素をフッ素に置換する。濃いフッ素ガスをそのまま用いると反応が激しくおこるので、ヘリウムで薄めて用いることが多い。抗癌剤(こうがんざい)として重要な5-フルオロウラシルを合成する際には窒素で薄めたフッ素を用いてフッ素化する。
(2)原料化合物を無水フッ化水素に溶解して電気分解によりフッ素化する方法が、工業的に用いられている。シモンズJoseph H. Simonsらにより1940年代に開発された方法で、アルコール、ケトンなどの有機酸素化合物や有機硫黄化合物の全部の水素をフッ素化することができる。
(3)アルコール(第二級または第三級)とフッ化水素‐ピリジン混合物と反応させて、ヒドロキシ基をフッ素に置換する。
(4)塩素化炭化水素の塩素原子を、触媒とフッ化水素を用いてフッ素原子に置換する。この反応はハロゲン交換反応であるが、通常はフッ素化に含める。[加治有恒・廣田 穰]
臭素化、ヨウ素化
臭素原子、ヨウ素原子を導入する反応行程を、それぞれ臭素化、ヨウ素化という(図C図D)。塩素化と同様に、付加または置換により達成できる。二臭化エチレンはエチレンに臭素を付加させて合成し、ブロモベンゼンは臭化鉄()を触媒として臭素によりベンゼンを置換して合成する。赤リンの存在下で臭化水素をエタノールと反応させて、OHをBrで置換して、臭化エチルを合成する臭素化反応もある。
 ヨウ素化も同様に行うことができるが、反応性が低いのでくふうを要する。直接にヨウ素化して、芳香族ヨウ化物を合成できる場合は限られているので、普通は芳香族アミンからザンドマイヤー反応(図D)により合成する。[加治有恒・廣田 穰]

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