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ハワイミツスイ Drepanidinae; Hawaiian honeycreepers

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ハワイミツスイ
Drepanidinae; Hawaiian honeycreepers

スズメ目アトリ科ハワイミツスイ亜科の鳥の総称絶滅種を含めて 17属 33種からなり,分布ハワイ諸島にかぎられている。全長 10~20cm。羽色は緑,黒,赤色などを主色とするものが多い。森林にすみ,花蜜液果,果実,小型の昆虫類などを食べる。の形は長く下に湾曲していたり,太く短かったり,上下の長さがまったく違っていたりするなど多様である。これは,それぞれの種の食物やそのとり方に適応するよう形態や長さが変化したからで,適応放散の著しい例として有名である。また,多くの種が絶滅,あるいは絶滅の危機に瀕していることでも注目を集めている。ホノルルビショップ博物館には,これらの鳥の羽毛でつくられたさまざまな羽衣や手芸品などが残されていることから,かつては非常に多く生息していたことがうかがえる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ハワイミツスイ
はわいみつすい
Hawaiian honey-creeper

鳥綱スズメ目ハワイミツスイ科に属する鳥の総称。この科Drepanididaeは13属約23種からなり、ハワイ諸島に限って分布し、競争者のいない島嶼(とうしょ)で適応放散を遂げた結果、一つの科のなかでさまざまな形の嘴(くちばし)をもった種が進化した実例として著名である。全長10~20センチメートル。羽色は緑色ないし黄色を主としたものが多いが、赤色や黒色を主色とした種もある。嘴と舌の形態は、食物の種類と採食方法とに適応している。すなわち、花蜜(かみつ)、昆虫やクモ類を主食とするものは嘴が細長く、種によっては大きく下に湾曲し、舌は管状である。一方、種子や堅い果実を主食とするものは嘴が太くて短く、普通の肉質の舌をもっている。
 ハワイミツスイ類は絶滅種が多いことでも有名である。23種のうち16種が絶滅したか絶滅の状態に近く、比較的普通にみられるのはミドリハワイミツスイViridonia virens、アカハワイミツスイHimatione sanguinea、ショウジョウハワイミツスイVestiaria coccineaなど数種にすぎない。多くの種が絶滅した理由は、固有の原生林が人間によって破壊され、嘴と採食方法が特殊化しすぎたこれらの種が、環境の変化に対応できなかったためと考えられる。ある学者は、白人によって移入された伝染病を絶滅の原因の一つにあげている。また、羽毛を装飾品や衣類に利用するため、乱獲されたことも絶滅を早めた。
 19世紀末までに絶滅した種が少なくないため、生態はよくわかっていないが、熱帯多雨林を好み、繁殖期以外は小群で生活している。ミドリハワイミツスイやアカハワイミツスイは椀(わん)状の巣を木の上にかけ、1腹2、3個の卵を産む。抱卵期間は13~14日。営巣と抱卵は雌の役目だが、雄も育雛(いくすう)を手伝う。[森岡弘之]

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