改訂新版 世界大百科事典 「ハートフォード会議」の意味・わかりやすい解説
ハートフォード会議 (ハートフォードかいぎ)
Hartford Convention
第2次英米戦争で苦戦するアメリカにおいて,政府の戦争政策変更を迫るため,1814年12月15日から翌年1月5日までコネティカット州ハートフォードで開かれた会議。戦禍と貿易途絶に苦しむニューイングランド5州からの代表が集まった。会議は,各州の郷土防衛費の連邦政府負担,ニューイングランド共同防衛機構の樹立,さらに奴隷制南部の政治的発言力抑止と連邦政府の戦争権限制限のための憲法修正等の要求を決議した。しかし決議直前ベルギーのヘントで和平が成立していたことがまもなく伝えられ,しかも決議直後ジャクソン将軍がニューオーリンズの会戦で大勝したため,この会議を指導したフェデラリスツは嘲笑を浴びたうえ,非国民の烙印を押されて,再度政権につくことなく衰退した。
執筆者:安武 秀岳
ハートフォード会議 (ハートフォードかいぎ)
Council of Hertford
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