バランキヤ(その他表記)Barranquilla

デジタル大辞泉 「バランキヤ」の意味・読み・例文・類語

バランキヤ(Barranquilla)

コロンビア北部、アトランティコ県の商工業都市。カリブ海に注ぐマグダレナ川河口付近に位置する。同国有数の貿易港があり、コーヒー・石油・天然ガス輸出繊維・香水・食品・化学製品などの工業も盛ん。毎年2月末、南米三大祭りに数えられるカーニバルが開かれる。人口、都市圏117万(2008)。バランキージャ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「バランキヤ」の意味・わかりやすい解説

バランキヤ
Barranquilla

コロンビア北西部,アトランティコ州州都。カリブ海に注ぐマグダレナ川の河口から約 20km上流の左岸に位置する港湾都市。 1629年建設の古い町であるが,同川河口部に砂州があって外洋との連絡が妨げられていたため,長い間カリブ海沿岸の港,サンタマルタカルタヘナの繁栄の陰にあり,ほとんど重要性をもたなかった。 19世紀なかば同川に就航した汽船起点となってから発展しはじめ,その後西約 20kmの外港プエルトコロンビアと鉄道で結ばれ,さらに 1930年代には河口部が浚渫されて外洋船が直接入港できるようになり,急速に発展,同国第1の港となった。第2次世界大戦後は河川交通がやや衰え,陸上交通が盛んとなったため,鉄道と道路で内陸部と結ばれた太平洋岸の港ブエナベントゥラの発展に押されたが,現在依然として同国の主要港の一つで,おもに内陸部からのコーヒー,天然ガス,石油,周辺地域からの綿花を積出す。近年は工業都市としての発展も著しく,繊維,飲料,食品,セメント製靴,衣料,化学製品などの工業が立地。市内にはアトランティコ大学 (1941) ,ノルテ大学 (66) がある。サンタマルタとカルタヘナを結ぶ幹線道路が通るほか,南郊に国際空港があり,カリブ海観光の玄関ともなっている。人口 92万 3788 (1985) 。

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改訂新版 世界大百科事典 「バランキヤ」の意味・わかりやすい解説

バランキヤ
Barranquilla

コロンビア北部,アトランティコ県の県都。大都市域人口138万6895(2005)。マグダレナ河口より15km上流の地に,カカオの積出港として1629年に創設された。1930年代後半に河口の掘削が行われ,大型の外洋船の入港が可能になって,本格的な都市の発展がはじまった。現在ではコロンビア最大の貿易港であるとともに,全水路輸送の4分の1を扱う最大の河港でもある。輸入原料を使用して国内向け鉄鋼製品の生産やビール,薬品,木材,皮革,アルミニウム,セメント,製紙など,また各種飲料水の産業を発展させている。最初の商業航空路は1920年ヒラルドトとの間に開設された。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「バランキヤ」の意味・わかりやすい解説

バランキヤ
ばらんきや
Barranquilla

南アメリカ、コロンビア北部の港湾都市。アトランティコ州の州都。マグダレナ川の河口から16キロメートル上流に位置するコロンビア第一の貿易港で、国内商業の一大中心地でもある。バランキージャともいう。人口122万6292(1999)、123万6202(2019推計)。1629年アンデス高原への交通基地として建設された。1930年代にマグダレナ川の浚渫(しゅんせつ)工事が完成し、同川の水運の終点として外洋汽船の出入りが増え急速に発展、1961年にはボゴタと結ぶ太平洋鉄道が完成した。市街地はスペイン風の碁盤目状で、ボリーバル中央広場の大伽藍(がらん)、大通り、河岸・運河沿いの市場などが旅行者の目をひく。近代工業都市としても発展し、繊維、香水、植物油、セメント、精油、石油化学、たばこ、製材、造船、ビール醸造などの工場が多い。

[山本正三]

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百科事典マイペディア 「バランキヤ」の意味・わかりやすい解説

バランキヤ

コロンビア北部,カリブ海岸の港湾都市。マグダレナ川河口から約15kmにある河港。同川中流域の首都ボゴタの外港で,コロンビア最大の貿易港。全水路輸送の4分の1を扱う。製鋼,アルミニウム,セメントなどの工業が行われる。1629年カカオの積出港として創設,1930年代に河口掘削が行われ近代的な港湾・商工業都市として発展,1961年首都と鉄道で結ばれた。115万4642人(2006)。
→関連項目マグダレナ[川]

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