百科事典マイペディア 「バルチュス」の意味・わかりやすい解説
バルチュス
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画家。本名バルタザール・クロソウスキー・ド・ローラBalthazar Klossowski de Rola。ポーランド貴族の流れをくむ旧家の次男としてパリに生まれる。両親も画家であり、兄ピエールは作家。幼いころから絵画を独習し、13歳のときリルケの序文を伴う素描集『ミツ』を刊行した。1934年にパリのピエール画廊で最初の個展を開き、シュルレアリストたちから注目を浴びるが、彼らの運動に加わることはなかった。作品の題材として選ばれるのは街路や室内、風景などのごく日常的な光景や人物であるが、画面は現実の世界から切り離されたかのような不思議な雰囲気をまとう。初期ルネサンス絵画や東洋美術への深い造詣(ぞうけい)に裏打ちされた古典的な技法や構図と、シュルレアリスムにも通じるような謎めいたエロティシズムに満ちたイメージで、独自の具象絵画を確立し、20世紀の美術史のなかで孤高の位置を占めている。61~77年、文化相アンドレ・マルローAndré Malraux(1901―76)の要請でローマのアカデミー・ド・フランス館長を務める。代表作に『美しい日々』(1944~46)、『コメルス・サン・タンドレ小路』(1952~54)などがある。スイス南東部ロシニエールの自宅で死去。
[大谷省吾]
『クロード・ロワ著、與謝野文子訳『バルテュス 生涯と作品』(1997・河出書房新社)』
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[叙事詩の盛衰]
中世高地ドイツ語の時期(11~14世紀)には,シュタウフェン朝による中世の政治体制が完成,これに応じて騎士階級が新たな文化の担い手となり,伝承のゲルマン英雄伝説のうえにキリスト教文化,古典古代の文化,プロバンス宮廷文化,イスラム宮廷文化,北方神話圏文化などが合流してドイツ中世文学が生み出された。宮廷で口誦された叙事詩は,素材の点で(1)アウエのハルトマンの《イーワイン》やエッシェンバハのウォルフラムの《パルチファル》のように,アーサー王と円卓の騎士の伝説を中心にしたもの,(2)ゴットフリートの《トリスタンとイゾルデ》のようにトリスタン伝説を扱ったもの,(3)《ニーベルンゲンの歌》や《クードルーン》のように,ゲルマン伝説から生じたものなどの系統に分類できるが,個々のものはいずれも強い混合形態を示している。残存する写本が最も多い《パルチファル》は,当時最も愛好された作品と目される。…
※「バルチュス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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