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バルビュス Barbusse, Henri

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バルビュス
Barbusse, Henri

[生]1873.5.17. セーヌ,アニエール
[没]1935.8.30. モスクワ
フランスの小説家。パリ大学在学中の 1892年『エコ・ド・パリ』紙主催の作詩コンクールで入賞,詩集『嘆きの女たち』 Les Pleureuses (1895) によって憂愁の詩人として出発したが,小説に転じ,ホテルの壁穴から目撃されるさまざまな事件を自然主義的手法によって赤裸々に描き出した『地獄』L'Enfer (1908) によって注目を浴びた。第1次世界大戦に参加,戦争文学の傑作『砲火』 Le Feu (16,ゴンクール賞) を著わし,社会主義的平和主義に向った。さらに,無産階級の立場を擁護した小説『クラルテ』 Clarté (19) を出版,同名の雑誌を創刊し,コミュニスト作家としての地位を確立,反ファシズムの国際作家会議の開催 (35) などに尽力した。ほかに『連鎖』 Les Enchaînements (25) ,『イエス』 Jésus (27) ,『上昇』 Élévation (30) ,『スターリン』 Staline (35) など。

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デジタル大辞泉の解説

バルビュス(Henri Barbusse)

[1873~1935]フランスの小説家。人間の情念を赤裸々に描いた「地獄」、次いで反戦小説「砲火」で注目を浴びる。のち「クラルテ」を発表し、平和運動にも尽力。→クラルテ

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百科事典マイペディアの解説

バルビュス

フランスの小説家。初め新聞記者をしながら詩を書く。人間の醜悪さを描いた自然主義小説《地獄》(1908年)で有名になり,反戦小説《砲火》(1916年),《クラルテ》(1919年)を発表。

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世界大百科事典 第2版の解説

バルビュス【Henri Barbusse】

1873‐1935
フランスの作家。ゾラ風の自然主義小説《地獄》(1908)で作家としての地位を確立。第1次世界大戦開始と同時に41歳で志願し,兵士の塹壕での生活と戦闘を描き,戦争の悲惨と不条理を訴えた《砲火Le feu》(1916)でゴンクール賞受賞。1919年にはその続編《クラルテ》を刊行するとともに,知識人の国際的な平和運動の母体として雑誌《クラルテ》を発刊。23年共産党に入党。1920~30年代の反戦・反ファシズム運動に貢献した。

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大辞林 第三版の解説

バルビュス【Henri Barbusse】

1873~1935) フランスの小説家。他者を凝視した「地獄」で人間の赤裸々な姿を描き、ゾラの継承者をもって自認。ついで「砲火」で戦争の悲惨・恐怖を活写し、「クラルテ(光明)」では階級意識を明確に打ち出した。 → クラルテ

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バルビュス
ばるびゅす
Henri Barbus
(1873―1935)

フランスの小説家。パリ近郊アスニエルに生まれる。早くからジャーナリズムに身を投じ、詩人として出発。1908年、人間情念の赤裸々な姿を描いた『地獄』で文壇の注目を浴びた。第一次世界大戦開始とともに志願して従軍し、その体験をもとに『砲火』(1916)、その続編『クラルテ』(1919)を書き、戦争の悲惨、愚劣さを訴えた。そして戦争の愚を避けるには、為政者の手先として使われる敵味方の兵士の反戦的結束以外にないと説いた。その反戦論は戦後いよいよ強まり、32年ドイツでヒトラーが台頭するや、ロマン・ロランと協力してアムステルダムに国際反戦会議を招集し、以後平和運動に尽力した。バルビュスは革命後のロシアを理想の地と考えていたが、4回目のソビエト訪問で急性肺炎をおこし、モスクワで没した。[稲田三吉]
『田辺貞之助訳『砲火』(岩波文庫)』

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世界大百科事典内のバルビュスの言及

【反ファシズム】より

…日独伊三国軍事同盟締結と大政翼賛会,大日本産業報国会の結成は,40年のことであったが,このときにはすでに反ファシズムの組織と言論は皆無に近かった。【鈴木 正節】
【国際的な反ファシズム文化運動】
 国際的な反ファシズム文化運動の先駆としては,反戦を掲げてロマン・ロランとバルビュスが呼びかけ,ゴーリキー,アインシュタイン,ドライサー,ドス・パソスらが発起人に名を連ねる,1932年8月アムステルダムの国際反戦大会に29ヵ国2200名を集め,翌年パリで第2回大会を開催した〈アムステルダム・プレイエル運動〉,フランスの急進社会党代議士ベルジュリが主唱し,J.R.ブロック,ビルドラックらの協力した33年5月結成の〈反ファシズム共同戦線〉,ジッド,マルローらによる〈革命作家芸術家協会〉の33年における反ファシズム運動などがあげられる。しかし,それが政治的立場を超えた知識人の統一運動として定着するのは,34年の2月6日事件をまたなければならない。…

【プロレタリア文学】より

… ロシアのプロレタリア文学運動は,国際的にも大きな影響を与えた。すでに第1次大戦時から,ドイツの〈表現主義〉文学運動,フランスのH.バルビュスやバイアン・クチュリエPaul Vaillant‐Couturier(1892‐1937)の創作が,広い意味でプロレタリア文学の先駆けとみなされ,アメリカのU.B.シンクレア,J.ロンドンの文学にも同じ傾向が看取されたが,それが自覚的な文学運動となるのは,やはり1917年のロシア革命後である。ドイツでは19年に〈プロレタリア文化同盟〉が結成され,E.トラー,B.ブレヒト,J.R.ベッヒャー,A.ゼーガースらがプロレタリア作家として活躍した。…

※「バルビュス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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