フランスの小説家。パリ近郊アスニエルに生まれる。早くからジャーナリズムに身を投じ、詩人として出発。1908年、人間情念の赤裸々な姿を描いた『地獄』で文壇の注目を浴びた。第一次世界大戦開始とともに志願して従軍し、その体験をもとに『砲火』(1916)、その続編『クラルテ』(1919)を書き、戦争の悲惨、愚劣さを訴えた。そして戦争の愚を避けるには、為政者の手先として使われる敵味方の兵士の反戦的結束以外にないと説いた。その反戦論は戦後いよいよ強まり、32年ドイツでヒトラーが台頭するや、ロマン・ロランと協力してアムステルダムに国際反戦会議を招集し、以後平和運動に尽力した。バルビュスは革命後のロシアを理想の地と考えていたが、4回目のソビエト訪問で急性肺炎をおこし、モスクワで没した。
[稲田三吉]
『田辺貞之助訳『砲火』(岩波文庫)』
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1873~1935
フランスの作家。象徴派の詩人として出発したが,第一次世界大戦に従軍し,その戦争への批判を通じて社会主義作家となる。クラルテ運動など国際平和運動を活発に行った。
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