バローズ(Edgar Rice Burroughs)(読み)ばろーず(英語表記)Edgar Rice Burroughs

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バローズ(Edgar Rice Burroughs)
ばろーず
Edgar Rice Burroughs
(1875―1950)

アメリカの小説家。ミシガン陸軍士官学校に学び、短期間合衆国騎兵隊に入隊。その後さまざまな職業を転々としたがいずれも失敗し、心機一転、SF的冒険小説『火星の月の下で』(のち『火星のプリンセス』と改題)を1912年に発表して、作家としての地位を確立した。ときに37歳。当時はまだSFという概念は成立していなかったが、心霊旅行によって火星に飛来した地球人のヒーローが縦横無尽の大活躍をするこの小説は大好評を博して、ついに全11巻に及ぶ長大な『火星シリーズ』に発展し、20、30年代に開花するスペース・オペラやヒロイック・ファンタジーに多大の影響を与えた。SF的な作品としてはこのほかに、地球空洞説に基づく『ペルシダー・シリーズ』七巻、『金星シリーズ』五巻、『月シリーズ』二巻、『時間に忘れられた国』などがある。

 またアフリカの密林を舞台にした『ターザン・シリーズ』も1914年から発表し始め、30年代のハリウッドによる映画化の人気により全世界に普及して26巻にも達した。バローズは生前70冊ほどの作品を書き、普通小説、西部小説、歴史小説などの分野でも作品を残したが、なんといっても彼が本領を発揮したのはSF的冒険小説で、同時代の作家や作品の大半が過去に埋もれてしまったなかにあって今日でも依然として続み継がれているのは、彼がもつ天成の物語作家としての魅力によるというほかはない。

[厚木 淳]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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