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同性愛 どうせいあいhomosexuality

翻訳|homosexuality

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

同性愛
どうせいあい
homosexuality

同性に対して恋愛感情や性的欲望が向かう性的指向,また同性との性行動。異性に対するそれらは異性愛という。日本では,ゲイという語は基本的に男性の同性愛者のみをさすが,英語の gayは同性愛の男性,女性どちらも含まれる。女性の同性愛者はレズビアンと呼ばれ,英語でも女性の同性愛者を明示する場合には lesbianという。同性愛の社会的な位置づけは文化によって異なり,時代によっても大きく変化してきた。同性愛であることが属性として位置づけられたり,アイデンティティとして意識されたりすることは近代の西ヨーロッパで始まったといわれる。歴史的,文化的にさまざまな同性愛的関係があり,(1) 年齢階梯的な関係性(→年齢階梯制)において,年長の男性が年下の男性を社会化する役割を果たすもの,(2) 身体的には同性でも,一方がトランスジェンダーであるため,ある意味で異性愛的なもの,(3) 同じジェンダーによる非年齢階梯的なもの,に分ける見方がある。(3)は,やはり近代の欧米に始まったとされ,アイデンティティとして意識される同性愛とともに,今日グローバル化している。(→LGBTゲイ・ライツ・ムーブメントレズビアン・ゲイ・スタディーズ

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デジタル大辞泉の解説

どうせい‐あい【同性愛】

同性を性愛の対象とすること。また、そのような関係。

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百科事典マイペディアの解説

同性愛【どうせいあい】

男性同士,女性同士の性行為をふくむ親密な関係,恋愛関係のこと。英語ではhomosexualityで,heterosexuality(異性愛)に対する。同性間の性関係は,いつの時代にも存在し,時には広範であった。
→関連項目ヴィダル性同一性障害両性具有

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世界大百科事典 第2版の解説

どうせいあい【同性愛 homosexuality】

同性を性愛の対象とすることと定義できる同性愛は,そのイメージを20世紀において大きく変えた。同性愛はすぐれて20世紀的現象であり,人類の歴史において20世紀ほど同性愛者差別問題が激化し,また解放が強く叫ばれた時代はない。そして20世紀末,同性愛者に対する偏見は弱まりつつある。アメリカ精神医学会発行の《精神障害の診断と分類の手引》は1980年版以降,同性愛を削除し,WHO(国連世界保健機構)編纂の《国際疾病分類》も1992年版以降,同性愛を削除した。

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大辞林 第三版の解説

どうせいあい【同性愛】

同性の者を性的愛情の対象とすること。また、その関係。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

同性愛
どうせいあい
homosexuality

その性的指向sexual orientationが同性にあること、すなわち同性に対して性的感情を抱くこと。同性愛者をホモセクシュアルhomosexualというが、これは1869年にハンガリーの医師ベンケルトがつくったことばで、医学の分野でよく使用される。同性愛者自身は男性同性愛者のことをゲイgayもしくはゲイマンgay man、女性同性愛者のことをレズビアンlesbianという。ゲイは広く男女の同性愛者を指して用いられることもある。
 同性愛は古今東西を問わず、あらゆる文化圏や民族集団にみいだされるが、その位置づけは時代や地域によって大きく異なる。
 ユダヤ―キリスト教的価値観のなかでは、生殖を伴わない性は罪悪としてとらえられ、同性愛もその中に含まれた。近代国家の出現により教会の権威が失墜するに従って、同性愛に対する宗教的嫌悪は世俗法に引き継がれ、同性愛者は死刑を含む過酷な処罰を受けた。
 19世紀後半に同性愛の医学的研究が始まった。これは、当時同性愛を刑法上の犯罪としていたドイツにおいて、同性愛者の精神鑑定が精神科医に委託されたことによる。フロイトによる精神分析学の確立により、同性愛はもっぱらその枠内で語られるようになった。フロイト自身は、同性愛は病気に分類されるものではないことを明言しているが、その後の分析家は同性愛を疾患としてとらえ、さまざまな病理モデルを提出した。
 第二次世界大戦後、1960年代後半から顕在化した同性愛者解放運動の基礎となった諸団体が結成され、ホモファイル運動を展開した。この動きの中でアメリカの心理学者フッカーは、同性愛男性と異性愛男性の投影法検査を行い、両者の適応水準に差がないこと、検査結果から両者を区別することはできないことを明らかにした。同性愛者自身による権利獲得運動と同性愛の病理モデルに疑問を唱える研究者の出現により、同性愛の脱医学化が始まったのである。このことはアメリカ精神医学会の公式診断分類である『精神障害の分類と診断のための手引き(DSM)』の変遷に表れている。1968年出版の第2版までは、同性愛は精神障害に位置づけられていたが、1973年にアメリカ精神医学会は同性愛を分類から削除することを決定し、1987年の第3版改訂からは「同性愛」という用語はいっさい使用されていない。DSMに影響を受けた世界保健機関(WHO)の国際疾病分類(ICD)においても、1990年に承認された第10版には独立した「同性愛」の項目はない。このように現代精神医学においては、同性愛は疾患とはみなされていない。
 しかし、社会のルールやシステムは、すべての人が異性愛者であることを前提にしてつくりあげられており、同性愛者の存在は無視されている。これは異性愛主義heterosexismとよばれている。また、社会には同性愛に対する誤解と偏見が満ちあふれており、その結果、同性愛を変態、あるいは悪趣味と蔑視(べっし)し、嫌悪感を抱く人もいる。この根拠のない不合理な同性愛者への否定的感情は同性愛嫌悪homophobiaとよばれている。異性愛主義と同性愛嫌悪が蔓延(まんえん)する社会において、同性愛者は自らの性的感情に適切なことばを付与することに大きなとまどいと不安と抵抗を感じている。これらの困難を乗り越えて肯定的なゲイアイデンティティ(同性愛者としての自己同一性)を確立していく過程をカミングアウトプロセスという。
 アメリカにおいては、肉体的・言語的暴力の対象となりやすい同性愛者を援助するために、「プロジェクト10」とよばれるカウンセリングサービスと教育プログラムが各地の学校で行われ、成果をあげている。[濱田龍之介]

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世界大百科事典内の同性愛の言及

【異常性欲】より

…昔とはことなり今日あらゆる種類の性的前戯は異常とはふつうみなされないが,それらが性感獲得のための最上の手段となっている場合は,それが個人のもつ心理的困難のなんらかの反映である可能性は否定できず,フェティシズム,服装倒錯,動物性愛,小児愛,露出症,窃視症,性的マゾヒズム,性的サディズムなどがふつうその質的異常とみなされる。同性愛もこの範疇に入るが,同性愛にもこの傾向にみずから悩まない自我親和的な同性愛と,この傾向に悩み異性愛への転向をつねに望む自我違和的なものとがある。今日のアメリカの精神医学界は,後者のみを治療の対象になるものと考え,前者は精神障害とはみなさない立場をとっている。…

【性】より

…プラトンのエロスは確かに男女の愛を含むものであったが,そればかりではなく,ともに真理を探究することによってイデアの世界に達しようとする師弟間の愛なども含んでいた。〈プラトニック・ラブ〉の本来の意味は今日の同性愛であるといわれる。 一方,キリスト教は,このようなヘレニズム的世界の性思想や,ユダヤ教を含む先行諸宗教の性思想を,快楽主義と批判して,夫婦間の性交だけをよしとするパウロの主張を教会の教えとして確立するにいたる。…

【性倒錯】より

…歴史的に性対象の異常とされてきたものには,以下の行為がある。自分自身の肉体を性対象とするオートエロティズム(ナルシシズム),自分と同性を対象とする同性愛,性的に未熟な幼児を対象とする幼児性愛(ペドフィリアpedophilia),老人を対象とする老人性愛(ジェロントフィリアgerontophilia),死体を対象とする屍体性愛(ネクロフィリアnecrophilia),動物(獣,鳥など)を対象とする動物性愛(ゾーフィリアzoophilia,これにもとづく行為が獣姦=ソドミーsodomy),フェティッシュと呼ばれる物品や肉体の一部を性愛の対象とするフェティシズム,親子・同胞と交わる近親相姦など。一方,性目標の異常としては,露出症,窃視症(voyeurism,いわゆる〈のぞき〉),サディズムマゾヒズム,異性装症ないし服装倒錯(トランスベスティズムtransvestism)などがあげられてきた。…

【男色】より

…男性の同性愛。〈だんしょく〉とも読む。…

【マレクラ[島]】より

…彼らは100人余りでアモク村に住んでおり,他のマレクラ島民とは異なりカバを飲む習慣があり,割礼を行う。また同性愛が社会的に承認されており,同性愛者は政治的に高い地位につくことができる。スモール・ナンバスは死者の頭骨を利用して死者に似せた像を作ることで知られている。…

※「同性愛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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