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バンチ症候群 バンチショウコウグン

デジタル大辞泉の解説

バンチ‐しょうこうぐん〔‐シヤウコウグン〕【バンチ症候群】

イタリアの医師バンチ(G.Banti)が1899年に報告した病気。脾臓(ひぞう)の腫(は)れ・貧血・白血球減少・消化管出血腹水などの症状を呈し、原因は不明。特発性門脈圧亢進症とほぼ同義。40歳前後の女性に多い。

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家庭医学館の解説

ばんちしょうこうぐん【バンチ症候群】

 この病気は、40歳前後の女性に多くみられ、肝硬変(かんこうへん)、門脈閉塞(もんみゃくへいそく)などのはっきりした原因がないのに、脾臓(ひぞう)の静脈圧が高くなって脾臓が腫(は)れ、脾機能亢進症候群(ひきのうこうしんしょうこうぐん)をおこしているものをいいます。
 しかし最近では、脾腫(ひしゅ)、貧血、門脈圧亢進(もんみゃくあつこうしん)を示し、肝硬変などの病気をともなわないものを特発性門脈圧亢進症(とくはつせいもんみゃくあつこうしんしょう)と呼び、バンチ症候群の呼称は使われなくなりました。

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世界大百科事典 第2版の解説

バンチしょうこうぐん【バンチ症候群 Banti syndrome】

原因が何であろうと,(1)貧血,白血球減少,血小板減少のいずれか一つ以上が存在し,(2)脾臓の肥大,すなわち脾腫があり,(3)骨髄での血球産生は正常または増加し,(4)脾臓を手術で取り除く(摘脾)ことにより(1)の血球減少症が改善する,この4項目を満たす病態を脾機能亢進症という。イタリアの病理学者バンチGuido Banti(1852‐1925)は,慢性貧血と脾腫で発症し末期に肝硬変で死亡する疾患について研究し,この病気の根本原因は脾臓にあると考えてバンチ病という名称を提唱した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

バンチ症候群
バンチしょうこうぐん

脾性貧血」のページをご覧ください。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

バンチ症候群
ばんちしょうこうぐん

イタリアの医師バンチGuido Banti(1852―1925)が1899年に初めて報告した疾患で、脾腫(ひしゅ)と貧血で始まり、しだいに進行して出血傾向と腹水がたまり、肝硬変になって死亡した患者の剖検により、脾臓の濾胞(ろほう)まで線維化が及んでいることがわかった。これがバンチ病で、中年の女性に多い。臨床的経過は、I期では貧血と脾腫があり、期では肝臓が腫(は)れて黄疸(おうだん)をおこし、胃腸障害が強く、期ではすべて悪化して腹水がたまり、出血しやすくなり、悪液質となって死亡する。血液では鉄剤が有効な小球性貧血を伴いやすく、白血球と血小板が減少し、骨髄では血球の成熟が阻害されており、巨脾性骨髄抑制あるいは脾機能亢進(こうしん)症といわれる状態を示す。治療は、診断がついたら早期に脾臓を摘出することが唯一の方法である。これによって血液所見は改善され、肝硬変への進行も停止する。
 その後、バンチ病の研究が進むとともに、病理組織学的に他の肝硬変による脾腫との間に差がみいだしがたく、バンチ病が独立した病気かどうか不明の点もあり、類似するものを一括してバンチ症候群とよんでいる。[伊藤健次郎]

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世界大百科事典内のバンチ症候群の言及

【脾臓】より

…脾腫,末梢血中の血球の減少,摘脾による血球数の回復の3項目のほかに,骨髄の検査で血球産生は正常あるいはむしろ増大していることが確認されたとき,この病態を脾機能亢進症という。しばしばバンチ症候群という言葉が脾機能亢進症の同意語として使われることがある。
[摘脾]
 手術により脾臓を取り除くことを摘脾splenectomyという。…

※「バンチ症候群」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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