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パッラバ朝 パッラバちょうPallava

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

パッラバ朝
パッラバちょう
Pallava

古代南インドの王朝。マドラス (チェンナイ) 南方のカーンチーに都をおき,3~9世紀に栄えた。デカンサータバーハナ朝が衰えたのちに興り,6世紀末から盛んになった。7世紀後半のナラシンハバルマン1世 (在位 630頃~660頃) のときに,チャールキヤ朝の軍を破り,スリランカへも遠征した。その後もチャールキヤ朝ラーシュトラクータ朝ガンガ朝パーンディヤ朝など近隣諸国と争いを繰返したが,9世紀末チョーラ朝の台頭により滅ぼされた。ヒンドゥー教を信奉し,カーンチーのカイラーサナータ寺マハーバリプラムの海岸寺院などを残している。石造建築や石造彫刻の技術は,インドはもとよりスリランカや東南アジアの仏教,ヒンドゥー教美術に影響を与えた。

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世界大百科事典 第2版の解説

パッラバちょう【パッラバ朝 Pallava】

南インドのヒンドゥー王朝。王朝の起源,創始者は不明。カーンチー(現,カーンチープラム)を中心に,今日のタミルナードゥ州の北アルコット,南アルコット,ティルチラパリタンジャーブール(タンジョール)諸県を支配下に収め,最盛期にはオリッサからペンナール川に至るコロマンデル沿岸部一帯を領有した。北インドの記録に現れる最も初期の内容は,4世紀中ごろにチャンドラグプタに捕らえられたといわれるカーンチーのビシュヌゴーパVishunugopaについてである。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パッラバ朝
ぱっらばちょう
Pallava

古代インドの王朝。3世紀後半に興り、チェンナイ(マドラス)南方のカンチー(カンチプラム)に都を置き、インド半島の南東海岸部とその周辺諸地域を支配した。南のパーンディヤ朝や北のチャールキヤ朝、ラーシュトラクータ朝などと争って盛衰を繰り返したのち、領内の一地方政権から台頭したチョーラ朝に滅ぼされた(9世紀末)。この間、7世紀なかばのナラシンハバルマン1世の時代が最盛期で、北はデカンに進出し、南はスリランカに遠征軍を派遣している。この王朝のもとで南インドの文化の全般的な向上がみられたが、とくに美術面での向上は著しい。この時代に発達した石造寺院建築や石彫の技術と様式は、後世の南インドや東南アジアの美術に大きな影響を与えた。[山崎元一]

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世界大百科事典内のパッラバ朝の言及

【インド美術】より

…また肉体の力,とくに性的な力(シャクティ)を神的なものとして尊重するので,多面多臂の複雑な姿をとるものが多く,男女の性的結合の像(ミトゥナ)も造られた。チャールキヤ朝のバーダーミ,アイホーレ,パッタダカル,パッラバ朝のカーンチープラム,マハーバリプラムなどでは,南インドの古代仏教美術の特色であった柔らかな肢体の表現を保持し,とくにパッラバ朝では律動的な群像表現に優れている。7~10世紀のエローラ石窟では,仏教窟の密教系尊像が図像学上重要なほか,ヒンドゥー教窟の第14,15,16,21,29窟にすぐれた彫刻がある。…

【カダンバ朝】より

…4世紀中葉よりバイジャヤンティーVaijayantī(バナバーシBanavāsi)に都して南西デカンのコンカン地方を支配した。北をグプタ朝,バーカータカ朝,南はガンガ朝,パッラバ朝に囲まれ,これら諸王朝との角逐がカダンバ朝の主要な歴史である。5代王カークトゥスタバルマンKākutsthavarmanの時に最も勢力が安定し,グプタ朝とは婚姻関係を結び,大規模な灌漑用貯水池などもつくられた。…

【ヒンドゥー教美術】より

…カルナータカ州北部を中心とするチャールキヤ朝では,バーダーミの石窟(6世紀末期),アイホーレ(6世紀後期~8世紀)とパッタダカル(8世紀前半)との石積寺院が代表的遺構。パッラバ朝では首都カーンチープラムのカイラーサナータ寺をはじめとする石積寺院(7~9世紀),海港マハーバリプラムの岩石寺院,石窟,石積寺院(7世紀前期~8世紀初期)が重要である。パーンディヤ朝ではカルグマライの岩石寺院(8世紀)があげられる。…

【ブラフマデーヤ村落】より

…王によってその全体または一部を1人あるいは多数のバラモンに施与された村落を総称したもの。すでにパッラバ朝,パーンディヤ朝などにもその存在が認められる。村落の運営は主としてサバーによって行われ,バラモンは租税の免除をうけた。…

※「パッラバ朝」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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