ヒドラジド(英語表記)hydrazide

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヒドラジド
hydrazide

一般にイソニアジド INAHをさす。なお,INAHを結核患者に投与中,病識がなくなるほど気分爽快となったことから中枢神経興奮作用が研究され,モノアミン酸化酵素 (MAO) 阻害によることが明らかになった。 MAO阻害作用をもつヒドラジド誘導体 (イプロニアジド,ニアラミド,イソカルボキサジドなど) はすぐれた抗うつ剤として用いられている。この誘導体は,INAHと異なって毒性,副作用が強く,肝細胞障害,過度の興奮,起立性低血圧,めまい,耳鳴,便秘などがみられる。また,他剤との併用で過度の反応を引起すことがあるので,投与の際には注意を要する。

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世界大百科事典 第2版の解説

ヒドラジド【hydrazide】

結核の化学療法剤イソニコチン酸ヒドラジド(イソニアジド)の通称としても用いられるが,化学ではカルボン酸の-OH基をヒドラジンの-NHNH2基で置換した形の化合物R-CO-NHNH2を総称していう。アミド結合とアミノ基が含まれている点で,性質,製法とも酸アミドR-CO-NH2とよく似ている。カルボン酸エステルをヒドラジン水和物と加熱すると得られる。エステルの代りに酸塩化物や酸無水物を使っても同じように反応する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヒドラジド
ひどらじど
hydrazide

イソニコチン酸ヒドラジドのことで、イソニアジドと略称される代表的な抗結核剤の一つ。

[編集部]

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化学辞典 第2版の解説

ヒドラジド
ヒドラジド
hydrazide

酸ヒドラジドともいう.ヒドラジンのアシル誘導体RCONHNH2(Rはアルキル基,アリール基).カルボン酸エステル,酸塩化物または酸無水物にヒドラジンを作用させると得られる.

  RCOOC2H5 + H2NNH2

RCONHNH2 + C2H5OH  

そのほか,ウレイドに次亜ハロゲン酸塩を作用させると生成する(ホフマン反応).

ヒドラジドは塩基性の白色の結晶で,還元性を示す.亜硝酸を作用させると酸アジドを生成する.

RCONHNH2 + HNO2 → RCON3 + 2H2O

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報