ヒース(英語表記)Heath, Sir Edward Richard George

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヒース
Heath, Sir Edward Richard George

[生]1916.7.9. ブロードステアーズ
[没]2005.7.17. ソールズベリー
イギリスの政治家。オックスフォード大学卒業。 1950年保守党下院議員に初当選。 1952年保守党下院院内総務。 1959年労働大臣。 1960年国璽尚書として外交問題を担当,1961年からイギリスのヨーロッパ経済共同体 EEC加盟交渉の首席代表を務めた。 1963年商務大臣。 1965年保守党党首となったが 1966年の総選挙で保守党は大敗した。しかし 1970年6月の総選挙で労働党を破り,首相に就任。 1972年イギリスのヨーロッパ共同体 EC加盟に成功したあと,総選挙で敗れ 1974年辞任。 1979年にイギリス史上初の女性首相となった保守党のマーガレット・サッチャーの政権時代にはその強硬な内外政策に反発,党内反サッチャー勢力の代表的存在となった。 1992年ナイトに叙された。 2001年政界引退。

ヒース
heath

植物生態学の用語で,針葉または線状のいわゆるヒース型の葉をもつ小低木が茂った乾原のこと。一般にはそのヒースに生じる小低木,特にツツジ科エリカErica やハイデソウ Calluna vulgaris などをヒースと呼ぶこともある。イギリス,ドイツ,スカンジナビアなど北ヨーロッパの寒冷地に発達するヒースが最も著名で,高層湿原が乾燥して陸化したあとに典型的なものができる。南アフリカ共和国のケープ地方や南アメリカ南端部のパタゴニア地方にも大規模なものがある。小規模のものは高山の森林限界以上の高所によく現れ,日本の高山帯のガンコウランコケモモツガザクラなどの群落も広義にはヒースに入る。ライチョウ類はヒースの葉を食べる特徴的な鳥である。一方,園芸界で通常ヒースと呼んでいるのはエリカ属のもので,南アフリカ原産の E. melanthera とヨーロッパ産の E. carnea が多い。(→ブライア

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百科事典マイペディアの解説

ヒース

英国保守党の首相(在職1970年−1974年)。1950年下院に入り,保守党院内総務,1959年労相,1960年国璽尚書,1963年商相兼産業・貿易・地域開発相を歴任。1961年からEEC(ヨーロッパ経済共同体)加盟交渉の首席代表。1965年保守党の最初の公選により,中産階級の出身でありながら党首に選ばれる。1970年の総選挙で劇的な逆転勝利をかちえて首相となり,1973年にはEC(ヨーロッパ共同体)への加盟を実現した。北アイルランドと労働組合に対しては強硬姿勢をとった。1974年の総選挙で敗れて下野,保守党党首をM.サッチャーに譲った。
→関連項目ヒューム

ヒース

ギョリュウモドキとも。ヨーロッパ北西部〜西アジアに分布するツツジ科の常緑低木,しばしば荒地や湿原に広く群生する。高さ15〜75cm,花は8〜9月に咲き,ばら色〜白色,エリカに似ているが,4裂した萼片が花冠より長く,花冠を隠す点で区別される。なお,本種やエリカ類におおわれる荒地を指すこともあり,またエリカ類の総称ともされる。

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世界大百科事典 第2版の解説

ヒース【heath】

常緑の矮性(わいせい)低木(とくにツツジ科の)が優占する植生。ときには,そこに生える低木そのものを指すこともある。ドイツ語でハイドHeideともいう。草本や蘚苔類・地衣類が優占する酸性土壌のやせた土地にも使うことがある。ヒースで有名なのは西ヨーロッパの沿岸部で,冷涼,湿潤で,冬が寒くない海洋性気候下のポドゾル化した貧栄養の酸性土壌の土地に広く分布し,南部ではエリカEricaの類やエニシダ類(マメ科)が目だち,北部ではハイデソウCalluna vulgaris優占種である。

ヒース【Edward Richard George Heath】

1916‐
イギリスの保守党政治家。1950年下院に入り,55年保守党下院院内総務,59年労相,60年国璽尚書,63年商相兼産業・貿易・地域開発相を歴任,61年よりEEC加盟交渉の首席代表。65年初の公選で保守党党首に就任,70年首相となり,73年EC加盟を実現。庶民出身の保守党リーダーとして,新しい保守主義をめざす一方,労働問題や北アイルランド紛争には強硬姿勢を貫いた。74年辞任。【池田 清】

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大辞林 第三版の解説

ヒース【heath】

エリカの英名。
中部および北部ヨーロッパに見られる、主にツツジ科の低木が優占する植生。また、その植生の土地。乾原。荒原。

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世界大百科事典内のヒースの言及

【イギリス】より

…EC加盟をめざすも再度ド・ゴールに拒否され,八方塞がりの状況であった。 1970年に誕生した保守党ヒース政権は,経済への国家介入の縮小・公共支出削減など自由主義的理念を掲げた。しかし,景気後退とともに〈成長へのダッシュ〉(Uターンともいわれた)政策に向かった。…

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