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ヒ素中毒 ヒそちゅうどく arsenic poisoning

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヒ素中毒
ヒそちゅうどく
arsenic poisoning

ヒ素は単体では毒性が弱いが,酸化物の亜ヒ酸は猛毒で,中毒量は 0.01~0.05g,0.1~0.15gで死にいたる。体内への侵入経路は経口摂取と吸入と接触があり,急性中毒では嘔吐や腹痛,下痢などの消化器症状,呼吸困難気管支炎,急性肺水腫などの呼吸器症状,皮膚炎,鼻腔の潰瘍,鼻中隔穿孔を起こし(→鼻中隔),治りにくい。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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栄養・生化学辞典の解説

ヒ素中毒

 ヒ素化合物特にヒ化水素(AsH3)による中毒.ヒ素化合物を経口や吸入によって体内に取り込むことによって起こる.

出典|朝倉書店
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヒ素中毒
ひそちゅうどく

無機あるいは有機ヒ素化合物との接触、および経口または吸入摂取によって生ずる中毒をいう。ヒ素は古くから知られている毒物の一つで、自殺、他殺、事故による報告が多く知られている。労働衛生上は、銅、鉛、亜鉛などの鉱石にヒ素が含まれているため、これらの金属を精錬する際にヒ素の粉塵(ふんじん)が発生する。また、ヒ素はガラス製造、防腐剤、農薬、合金、半導体などにも広く用いられている。
 ヒ素は経口、吸入、接触によってそれぞれ異なる毒性を現す。(1)経口毒性 経口摂取による中毒で、もっとも注意を要するのは三酸化二ヒ素(無水亜ヒ酸)である。単体のヒ素は毒性が弱い。無水亜ヒ酸を大量に経口摂取すると、数時間後に胃けいれん、嘔吐(おうと)、コレラ様下痢、無尿、脱水症などが現れ、続いて皮膚蒼白(そうはく)、チアノーゼ、血圧降下などがおこり、重症の場合にはショック死を招く。慢性の場合には、虚脱、食欲減退、胃腸障害がおこり、また手のひらや足の裏が角化し、乳輪、わきの下、鼠径(そけい)部に色素が沈着して黒くなる。脱毛や爪(つめ)の萎縮(いしゅく)もおこる。(2)吸入毒性 ヒ素や無水亜ヒ酸などの粉塵あるいはフューム(煙霧状粉末)を大量に吸入した場合には、咽頭(いんとう)痛、胸痛、発作性の咳(せき)、めまい、嘔吐などに続いて経口摂取による急性中毒と同様な症状がおこる。繰り返して粉塵を吸入した場合の慢性中毒では、鼻炎、喉頭(こうとう)炎、気管支炎がおこり、なかには鼻中隔穿孔(せんこう)も生ずる。ヒ素化合物のうち、気体として一つだけ存在するアルシン(ヒ化水素)は強い溶血性があり、そのために濃赤色の血色素尿、黄疸(おうだん)、無尿、貧血がみられ、また青銅色の顔色になる。(3)接触毒性 無水亜ヒ酸は皮膚や粘膜に付着すると、強い刺激作用のために目では結膜炎、鼻粘膜では炎症や潰瘍(かいよう)、顔面・わきの下・陰股(いんこ)部では湿疹(しっしん)や丘疹などをつくる。
 このほか、ヒ素やヒ素化合物によって肺癌(はいがん)や皮膚癌などもおこることが知られている。
 なお、労働衛生上の許容濃度は、ヒ素およびその化合物として職場の1立方メートル当り0.5ミリグラム、ヒ化水素として同じく0.05ミリグラムである。また、清涼飲料水中の許容濃度は0.2ppm、農薬による果実(リンゴ)中のヒ素残留許容量は3.5ppm、食品添加物中は1~2ppm、人工着色料では2ppm、飲料水では0.05ppmである。[重田定義]

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世界大百科事典内のヒ素中毒の言及

【ヒ素(砒素)】より

…原形質毒で,とり込まれた局所で組織の壊死を起こし,種々の中毒症状を現す。ヒ素中毒には急性中毒と慢性中毒があり,前者では胃痛,嘔吐,下痢,腎臓障害による無尿症,皮膚炎,粘膜の炎症などが現れ,重症では,循環障害や痙攣(けいれん),麻痺などで死ぬ。後者では,皮膚の色素沈着,つめ,毛髪の欠損,皮膚癌,多発性神経炎,貧血,肝臓障害などがみられる。…

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