ビャクダン(白檀)(読み)ビャクダン

百科事典マイペディア 「ビャクダン(白檀)」の意味・わかりやすい解説

ビャクダン(白檀)【ビャクダン】

インドネシア原産のビャクダン科の常緑小高木。半寄生性で,吸根を出し他の植物の根から養分を得る。葉は対生し,卵状披針形で無毛。果実球形,熟して黒色となる。古くから各地で栽培され,特に南インドが産地として知られる。心材ははじめ淡黄色,やがて褐色をおび,硬く緻密で芳香がある。薫(くん)香料仏像,扇などの工芸材料,ビャクダン油製造原料とする。近縁ムニンビャクダン小笠原に特産する。
→関連項目香木センダン唐木(外材)

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ビャクダン(白檀)」の意味・わかりやすい解説

ビャクダン(白檀)
ビャクダン
Santalum album; sandalwood

ビャクダン科の半寄生常緑高木で,熱帯アジア原産。幹の高さは3~10mにもなる。発芽時には独立して生活するが,生長すると直径数 mmの吸盤で相手を選ばず寄生する。幹は直立し分枝が多く,こんもりと茂る。葉は対生し,長さ5~8cmの披針状楕円形で全縁。花は円錐形集散花序で頂生し,花柄の基部に小さな包葉をもつ。花被片は4枚,内面は紅色で外面は緑黄色,のちに黄白色となる。果実は球形で約 1cmで上端に花被がカラー (襟) 状に残存し,黒熟する。心材は淡黄色で芳香があり,白檀材として知られる。この材は仏像,美術彫刻,その他の細工に用い,また心材,根を細片とし,水蒸気蒸留法によってサンダル油を生産するが,これは香油として価値の高いものである。本来の自生地はインドネシアのスンダ列島といわれるが,インドの東部で栽培され,その逸出とみられる野生も知られている。また同属の近似種がハワイや小笠原など太平洋諸島に自生している。

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