電流の流れているプラズマが,それ自身により作られる磁場との相互作用で細い紐状に収縮する現象。ピンチ効果には熱ピンチ効果と電磁ピンチ効果の二種がある。熱ピンチ効果は,通常のアーク放電などの弱~中電離度の放電プラズマで見られるもので,それらプラズマに外部から気流などを吹きつけて冷やそうとすると,電流路は中心付近に集中し,その部分の電流密度は上昇し温度も同時に上がる現象を指す。これは,外部からの冷却作用に打ち勝って放電を維持しようとするための熱的効果であることから,熱ピンチと呼ばれている。熱ピンチを応用した装置にプラズマジェットがある。これは,同軸型電極間に放電を起こさせ,それと同時に電極間に軸方向の高速気流を通して出口部において放電電流を熱ピンチさせ1万~2万Kという高温を得ようとする装置で,金属材料の溶接とか溶断に用いられる。
電磁ピンチ効果とは,プラズマの収縮が電磁気的効果によって起こるものをいう。放電プラズマで電流を増大させていくと,電流が作る磁界の大きさが大きくなり,その磁界が電流に及ぼす力も同時に大きくなる。この力は電流の流路を径方向に収縮させる方向に働き,この力がプラズマの圧力より大きくなると,プラズマ柱は急速に収束して,いわゆるピンチが起こる。通常,このピンチ効果は局所的に起こるため,その部分でプラズマは強くくびれてプラズマは切れてしまう。もし何らかの方法によってプラズマ柱を一様かつ安定にピンチさせることができれば,プラズマの温度を高めることが可能となる。このような研究は核融合炉のプラズマ閉込めに関連して興味がもたれている。
執筆者:桂井 誠
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