ピンチ(英語表記)pinch

翻訳|pinch

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ピンチ」の意味・わかりやすい解説

ピンチ
pinch

核融合炉の炉心プラズマを加熱し閉じ込める方式の一つ。磁場の力を応用し,プラズマを絞り込むこと。核融合研究の初期 (1940年代) には円柱状のプラズマをピンチによって加熱し閉じ込める研究が盛んに行われた。円柱プラズマに対して縦方向に電流を流すものをゼットピンチ,周方向に電流を流すものをテータピンチ,両者を組合わせ,螺旋状に電流を流すものをスクリューピンチと呼ぶ。プラズマ柱の端部からのエネルギー損失をなくすため,両端をつないでドーナツ状にしたものをトロイダルピンチと呼び,ドーナツに沿って周回する磁場をトロイダル磁場という。強いトロイダル磁場をもつスクリューピンチがトカマクに相当し,最もすぐれたプラズマの閉じ込め特性を実証している。トロイダル磁場が弱い場合,自動的にトロイダル磁場が反転する性質があり,逆転磁場ピンチと呼ばれる配位が形成される。円柱状のテータピンチに反転したテータピンチをかけ,プラズマの中に磁場の渦をつくるものをコンパクトトーラスと呼ぶ。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android