ブハーリー(読み)ぶはーりー(その他表記)Muammad ibn Ismā‘īl al-Bukhārī

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブハーリー」の意味・わかりやすい解説

ブハーリー
ぶはーりー
Muammad ibn Ismā‘īl al-Bukhārī
(810―870)

イスラムの著名なハディース(預言者の言行に関する伝承学者。幼少より記憶力に優れ、ホラサーンからエジプトまで各地を巡り1000人を超える学匠に会いハディースを熱心に収集した。スンニー派で正典的取扱いを受けている六つのハディース集のなかでもっとも尊重されている『サヒーフ集』を編纂(へんさん)した。16年の歳月を費やし60万に上るハディースから信頼に足るもののみを選び出して生まれたのが本書であり、7397のハディースがイスナード(伝承経路)とともに主題別に配列されており、重複を除くと合計2762の異なるハディースが含まれている。このほかハディース伝承者の伝記を集めた『歴史(タアリーフ)』の著作などがある。

鎌田 繁 2018年4月18日]

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改訂新版 世界大百科事典 「ブハーリー」の意味・わかりやすい解説

ブハーリー
al-Bukhārī
生没年:810-870

ブハラ生れのイランハディース学者。メッカで研鑽後諸国を巡って16年間に60万のハディースを収集したといわれる。編著《サヒーフ集al-Jāmi` al-ṣaḥīh》には,97部門に分類されたその7300余が採録されている。同書は独特な判定基準で厳選された信憑度の高い内容と,ムサンナフ(主題別分類)型記述による簡便さから,ハディース六書の第1に数えられ,コーランに次ぐ権威を付されて,後代のハディース編纂の範となった。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブハーリー」の意味・わかりやすい解説

ブハーリー
al-Bukhārī, Muḥammad ibn Ismā`īl

[生]810.7.19. ブハラ
[没]870.8.31. ハルタンク
イラン系のイスラム教伝承学者。幼時から預言者ムハンマドの言行に関する伝承に心を傾けた。 16歳のときメッカ巡礼におもむき,エジプトからイランにいたる広範な地域の旅で 1000人以上の師から 60万の伝承を収集し帰郷。そのうち 7397項を精選し,97巻の『真正集』 al-Jāmi`al-ṣaḥīḥを著わした。 10世紀頃からこの書はイスラム伝承学の最高権威書の一つとなり,スンニー派イスラム教徒はこれを『コーラン』に次ぐ重要書としている。ブハラの知事に憎まれ,サマルカンド近郊のハルタンク村に逃れ,その地で没した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「ブハーリー」の解説

ブハーリー
al-Bukhārī

810~870

中央アジアのブハラ出身の傑出したハディース学者,コーラン注釈学者。イスラーム世界の諸都市に遊学,預言者ムハンマドの言行録(ハディース)の収集と研究にあたった。100万ともいわれる伝承のなかから確実な伝承7397を厳選,『真正集』にまとめた。スンナ派ムスリムは,これにコーランに次ぐ権威を認めている。

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367日誕生日大事典 「ブハーリー」の解説

ブハーリー

生年月日:810年7月19日
イラン系のイスラム伝承学者
870年没

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