ブライト・ワーク(読み)ぶらいとわーく(英語表記)bright work

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ブライト・ワーク
ぶらいとわーく
bright work

ブライトとは「輝き」を意味する英語。金、銀、金属片、金糸、銀糸、ラメ糸、ビーズ、スパングル、ミラー、ガラス、宝石、貝殻、練り物など、光る素材を用いて刺しゅうした作品をブライト・ワークとよぶ。
 おもな素材には次のようなものがある。(1)スパングル(別項「ビーズ・スパングル刺しゅう」参照)(2)金糸、銀糸 一般的には絹糸の周りに金または銀の細い帯を巻いたもの。中世のころの金の帯には、金の延べ板を切り取り非常に薄く延ばしたものを用いたが、中世後期になると銀めっきした糸が使われるようになった。これが銀糸の源である。また、金箔(きんぱく)を薄い動物の皮(山羊(やぎ)皮など)に貼(は)り付け、それを細長く切り、絹芯(しん)に巻き付けて使用した。最近では、金糸は中国産か日本産のものを用いているが、上質のものをつくるときは日本のものを用いる。いずれも金箔を貼った紙を絹糸に巻いてつくるが、中国産のものは日本産のそれより冷ややかな青みがかった金色である。ただし、本物の金は非常に高価であるため、アルミニウム箔に着色したものを用いることが多い。また、合成樹脂、ポリエステルなどを原料としたラメ糸、刺しゅう糸なども出回っている。これは、金や銀のほかにも多くの色がそろっており、欧風刺しゅう、日本刺しゅうの両分野にわたって使用され、豪華な美的効果をあげている。(3)金属糸 金属を糸のようにしてコイル状に巻いてつくった針金様のもので、中空の部分に糸を通してモールのように刺しゅうしたり、短く好みの長さに切ってビーズのように用いたりする。また、コイル状になっているので、使用前にちょっと引き伸ばすと糸が通りやすくなる。金属特有の明るい光沢や、いぶしのような重厚さがある。(4)ミラー(別項「ミラー刺しゅう」参照)(5)ライン・ストーン 模造宝石のことで、ジャンク・ジュエル(宝石屑(くず))ともいう。合成樹脂、プラスチックなどが原料。スパングルのように穴のあいているもの、金属のつめで石を固定するもの、四隅に糸通し用の穴があるもの、また金属のつめの四隅に突起があり、それを布に突き通して突起を折り返して止めるもの、アイロン接着、糊(のり)接着のものなど、多くの種類がある。これらの素材の特徴は、宝石のように立体的なカットがされていることであり、ダイヤ形(ブリリアン)、四角形、花形、玉状など、形も豊富で大きさも多様である。(6)真珠、サンゴ 両者とも自然物であるが、本真珠は非常に高価なため、人工の養殖真珠、模造真珠などが多く使用されている。[市川久美子]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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