ブライラ(読み)ぶらいら(その他表記)Brǎila

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブライラ」の意味・わかりやすい解説

ブライラ
ぶらいら
Brǎila

ルーマニア南東部、ブライラ県の県都。ドナウ川下流、ルーマニア平原の東端にある河港都市人口21万6929(2002)。町は古くから存在したが、記録上にみえるのは14世紀で、貿易港ブリラゴBrillago(またはドリナゴDrinago)として現れた。15世紀にはトルコ領となり、要塞(ようさい)や居留地がつくられたが、1829年アドリアノープル(現トルコのエディルネ)の和でふたたびルーマニアに帰属した。ドナウ川の河港としてはガラチに次ぐ同国第二の規模の港湾で、ドナウ・デルタ方面への船の始発港である。製鉄、建設・輸送機械造船、建築資材、木材加工、繊維、食品などの工業が発達している。スフント・アルハンゲリ教会は17世紀にイスラム寺院として建立されたが、1831年にルーマニア正教会にかわった。

[佐々田誠之助]

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改訂新版 世界大百科事典 「ブライラ」の意味・わかりやすい解説

ブライラ
Brǎila

ルーマニア平原の北東端に位置し,ドナウ川に臨む河港都市。同名県の県都。人口21万8984(2005)。古代ギリシア時代にはプロイラボンの地名で知られる。記録文書に現れるのは1368年以降で,当時はブリラゴと呼ばれ,貿易港であった。15世紀にはオスマン・トルコ領になり,要塞や居留地が造られた。19世紀のアドリアノープル条約でルーマニアに帰属した。ドナウ川の港としてガラツィに次ぎ,ドナウ・デルタ方面への始発港である。現在,製鉄,機械,造船,繊維,食品などの工業がある。市内のアルハンゲリ教会は17世紀にモスクとして建立され,1831年にルーマニア正教会に移されたものである。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブライラ」の意味・わかりやすい解説

ブライラ
Brǎila

ルーマニア南東部,ブライラ県 (面積 4724km2。人口 39万 2100〈1992推計〉) の県都。ドナウ川の左岸に位置する河港都市。 14世紀中頃からの町で,1554年トルコに征服されたが,1829年ルーマニアに返還された。その後ルーマニア第2の輸出港として繁栄。造船,機械,冶金,木材,繊維などの工業が行われるほか,ドナウ川下流デルタ地帯に生育するアシ (葦) を原料とする製紙やセルロース精製のコンビナートもある。人口 23万 4706 (1992推計) 。

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百科事典マイペディア 「ブライラ」の意味・わかりやすい解説

ブライラ

ルーマニア南東部の都市。ドナウ川下流の河港市で,造船・製鉄・機械・セルロース・食品加工などの工業が行われる。古代ギリシア以来の歴史をもち,15世紀からトルコ領。1829年ルーマニアに帰属。18万人(2011)。

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