アメリカの物理学者。高圧物理のほか科学哲学の分野の業績で知られている。マサチューセッツの著述家の子で、ハーバード大学を卒業、引き続いて同大学で学位を取得、物理の研究生を経て教職につき、1926年に数学と理学の教授に就任した。1908年ごろから高圧の実験に着手し、水銀の電気抵抗で圧力を測るゲージの開発を始め、自緊方式(発生させようとする高圧それ自体がパッキングを締め付ける方式)の高圧発生方法の実用化や、マンガニンの抵抗でひずみ(ひいては圧力)を測るゲージの汎用(はんよう)化に成功、以後、高圧研究をリードし、その功により1946年ノーベル物理学賞を受けた。
一方、物理量の次元の問題から物理学上の概念や論理の問題まで根本的に再考察し、ある概念はそれに対応する一連の操作と同義だとする見解を述べ、科学哲学に一石を投じた。ただし、この見解が操作主義の名で教条化されることを、彼自身は好まなかった。
[高田誠二]
アメリカの宣教師,中国伝道の草分け。中国名は裨治文。マサチューセッツ州に生まれ,アメリカ海外伝道協会(アメリカン・ボード)の宣教師として1830年(道光10)に広州へ来た。32年に月刊《チャイニーズ・レポジトリーThe Chinese Repository》誌を創刊,47年までその編集をつづけた(雑誌そのものは1851年まで続刊)。この雑誌はアジアについての根本的な情報を英文で提供し,相互の文化理解に貢献すること大であった。林則徐が,幕僚にこの雑誌の記事を訳させて参考にしたことは名高い。この訳文はのち魏源の《海国図志》(初刊の50巻本は1844年刊)に利用され,翻刻によって日本でも広く知られた。カルバートソンと共訳した《新約全書》《旧約全書》(いずれも1863。上海刊)のほか,宗教書の中国訳,中国古典の英訳が多い。王立アジア協会北中国支部の初代会長でもある。
執筆者:春名 徹
アメリカの物理学者。マサチューセッツ州ケンブリッジの生れ。ハーバード大学で物理学と数学を学び,研究員,専任講師を経て19年同大学教授,26年には同大学の数学,自然哲学のホリス教授職に就任し,50年ヒギンス大学教授となる。高圧下の物性に関心をもち,はじめは高圧用の圧力計の開発を目ざし,その過程で高圧下でも圧力漏れのないパッキングを開発,5万kgf/cm2や10万kgf/cm2の高圧下での,種々の元素や化合物の圧縮率,電気伝導率,熱伝導率,抗張力,粘性などを研究,高圧物理学の発展に貢献した。これら超高圧発生のための装置の発明と高圧領域における諸発見によって,1946年ノーベル物理学賞を受賞。また,科学概念は具体的な測定などの操作によってのみ規定しうるとする操作主義を展開したことでも知られる。
→操作主義
執筆者:日野川 静枝
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…独立宣言は,一方でその内容と関係なく国家統合の象徴として使用されることも多いが,他方革命権を含めてその内容が,アメリカ国民の自由の保障となっていることを忘れるべきでない。なお独立宣言は,アメリカ人宣教師E.C.ブリッジマンが中国で書いたアメリカについての概説書《聯邦志略》(1846。同書は《海国図志》にも収録)を通じて幕末の日本に紹介され,さらに福沢諭吉により〈独立の檄文〉と題して《西洋事情》初編(1866)に訳出された。…
…彼によれば,ある物体が重いということは,何らかの実体的な性質ではなく,ただ,反対の力がなければその物体は落下する,ということを意味するだけなのである。しかし操作主義が一つの明快な主張として人々の注目を集めたのは,アメリカの物理学者P.W.ブリッジマンの《現代物理学の論理》(1927)においてである。彼はアインシュタインの特殊相対性理論などを引用しながら,概念とはそれに対応する一組の操作と同義である,と主張した。…
※「ブリッジマン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...
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