家庭医学館 「ブルセラ症(波状熱)」の解説
ぶるせらしょうはじょうねつ【ブルセラ症(波状熱) Brucellosis】
ブルセラ属の細菌の感染でおこる感染症で、本来は、ヤギ、ブタ、ウシがかかる病気ですが、人にも感染することがあります。
ただ、日本ではまれな病気です。
この細菌の混入した生(なま)の乳類、野菜、水などの摂取でおこることが多いのですが、この病気にかかっているヤギ、ブタ、ウシなどに接触したり、排泄物(はいせつぶつ)に触れたりしたときに、皮膚の傷、目や気道の粘膜(ねんまく)から感染することもあります。
[症状]
感染して5日~3週間後に発病します。
頭痛、腰痛(ようつう)、関節痛、筋肉痛、神経痛のような痛み、くびのリンパ節(せつ)の腫(は)れとともに、特有な発熱が始まります。熱は、午後になると高くなり、夜間になると発汗とともに下がります。このような熱が2~3週間続き、つぎの1~2週間は平熱となり、また同じような発熱がおこります。このような発熱と解熱を、数か月から1年あまりくり返します。
[治療]
ストレプトマイシンとテトラサイクリンの併用がよく効きます。
入院して安静を守り、栄養をとることがたいせつです。
乳類は、必ず殺菌処理をしたものを飲むようにしましょう。