ブローチ(英語表記)brooch

翻訳|brooch

デジタル大辞泉 「ブローチ」の意味・読み・例文・類語

ブローチ(brooch)

洋服の胸や襟などにつける留め針式の装身具
[類語]コサージ

ブローチ(broach)

つば状の刃物を寸法順に配列した棒状切削工具。軸の外面や溝・穴の内面加工に用いる。

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精選版 日本国語大辞典 「ブローチ」の意味・読み・例文・類語

ブローチ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] brooch ) 装身具の一種。ピンやクリップで洋服の胸や襟などにつける。
    1. [初出の実例]「黄金の蹄銕形(かなぐつがた)のブルーチで衣紋を留め」(出典:くれの廿八日(1898)〈内田魯庵〉五)

ブローチ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] broach ) 多数切刃を寸法順に配列した棒状刃物。ブローチ盤にとりつけて用いる。矢。

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改訂新版 世界大百科事典 「ブローチ」の意味・わかりやすい解説

ブローチ
brooch

襟,胸などにつける飾付きの留針。金属だけで作ったもののほか,宝石や布類などで装飾を施したものがある。ヨーロッパ考古学ではフィビュラfibulaと呼び,青銅器時代から中世にいたる,年代差,地方差を示す遺物として重要視されている。フィビュラは針の部分と弓の部分からなり,弓部の端に針部の先をやすめる構造のものが多い。

 ミュケナイ時代ギリシアや北イタリアなど南ヨーロッパでは弓部,針部を一体で作り,この構造が青銅器時代を通じて行われたのに対して,北ヨーロッパでは,弓部と針部とを別作りにして組み合わせる構造のものが発達した。
留具
執筆者: フィビュラはキトンなどを留めるため,ギリシア,ローマで盛んに用いられたが,ローマでは将校がマントをはおる際に,カメオのブローチで肩に留め,ことにビザンティンではマントの前面を留めるために不可欠となり発達した。中世には14世紀のブリオーコットなどの男女の衣服の前面を,ブローチないしボタンで留めた。ルネサンス以降,マントの着用が一般に行われなくなると,留金としての実用性はしだいに失われ,帽子をブローチで飾ることが流行した。また靴にもつけられるようになり,もっぱらブローチはアクセサリーとなった。現代ではシンプルなデザインの服装がむかえられるようになり,ネックレスブレスレット,ペンダントなどとともに,主要なアクセサリーとして普及している。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「ブローチ」の意味・わかりやすい解説

ブローチ

装飾的な留針。古代ギリシア・ローマ時代に衣服を留めたフィブラというピンの装飾面が大きくなったもので,ビザンティン時代から中世にかけて,金・銀細工や七宝の豪華なものが流行した。19世紀以後はもっぱら女性の間で用いられ,現在では宝石類のほか,貴金属,木,プラスチックほかあらゆる材料から作られる。

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デジタル大辞泉プラス 「ブローチ」の解説

ブローチ

内田也哉子、渡邉良重による絵本作品。2004年刊行。

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世界大百科事典(旧版)内のブローチの言及

【青銅器】より

…短剣の刃先が戈として使用されたという考えも提出されている。 利器以外の重要な青銅器として,留針(ブローチ)がある。留針は先史・原史時代のヨーロッパでは,着衣にあたっての必需品で,出土量も多い。…

※「ブローチ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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