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プレスコット Prescott, William Hickling

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

プレスコット
Prescott, William Hickling

[生]1796.5.4. マサチューセッツ,セーレム
[没]1859.1.28. ボストン
アメリカの歴史家。 1814年ハーバード大学卒業。在学中にほとんど失明。スペイン関係の歴史に興味をもち,朗読秘書を使って研究,執筆に専念。なかでも『メキシコ征服史』 History of the Conquest of Mexico (3巻,1843) ,『ペルー征服史』 History of the Conquest of Peru (2巻,47) が有名。

プレスコット
Prescott

アメリカ合衆国,アリゾナ州中央部の都市。フェニックス北西約 130kmに位置する。 1863年の金鉱開発により植民が開始された町で,州都がフェニックスに移る以前には一時州都であった。牧畜,農耕地域の中心地で,88年アメリカ合衆国で最初にカウボーイによるロデオが行われた。プレスコット大学がある。人口2万 6455 (1990) 。

プレスコット
Prescott,Edward C.

[生]1940.12.26. ニューヨーク,グレンズフォールズ
アメリカの経済学者。 1962年にスワースモア大学を卒業し,1963年にケース・ウェスタン・リザーブ大学で理学修士号を,1967年にはカーネギー=メロン大学で経済学博士号を取得。 2003年アリゾナ州立大学 W.P.ケアリースクール経済学科長に就任。 1980年からミネソタ州ミネアポリス連邦準備銀行顧問。 1977年,フィン・E.キドランドとともに論文「裁量よりもルール-最適計画の非整合性」を発表し,政策当局が裁量的な政策運営を行なうよりも,厳格なルールに基づく政策運営のほうが効果が大きいことを理論化した。同じく共同発表した論文「建設のための時間と総変動」 (1982) では,景気循環の要因は生産性の向上や原油価格の高騰など供給側によるものであるとし,総需要の変動が要因であるとする,従来のケインズ経済学に対する新しい理論を打ち出した。これらの理論は各国の経済政策に大きな影響を与えた。 2004年キドランドとともにノーベル経済学賞を受賞。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

プレスコット
ぷれすこっと
Edward Christian Prescott
(1940― )

アメリカのマクロ経済学者。ニューヨーク州グレンズフォール生まれ。1962年にスウォースモア大学で数学の学位を得た後、1967年にカーネギー・メロン大学で経済学博士号を取得。ペンシルベニア大学を経てカーネギー・メロン大学、シカゴ大学、ミネソタ大学などの教授を歴任し、2003年からアリゾナ州立大学教授。ミネアポリス連邦準備銀行の経済顧問も務める。「マクロ経済学に時間的不整合性仮説と実物的景気循環(real business cycle)理論の二つの概念を導入し、各国の財政・金融政策に大きな影響を与えた」ことにより、2004年のノーベル経済学賞をF・E・キドランドとともに受賞した。動学的マクロ経済学の発展に決定的な役割を果たした功績が認められたのである。
 1977年のキドランドとの共同論文「Rules Rather than Discretion:The Inconsistency of Optimal Plans」で、長期的視野にたったルールに基づく政策決定の重要性を提起する。景気の波に応じて政府・中央銀行がその時々に最適と思われる財政・金融政策をとっても、企業や家計といった経済主体が当局の政策を織り込んで行動することで、当初よいとみられた政策が悪い結果を招く「時間的整合性問題」(time consistency problem)を分析した。
 各経済主体の最適化行動と市場均衡を前提とする動学モデルが実際のマクロ経済変動をうまく説明できることを論証し、貨幣的要因や需要の大小ではなく、技術革新など供給サイドの実物要因が景気循環の原因になっているとの実物的景気循環理論を導き出した。
 政策当局があらかじめルールを定めて政策を運営すべきだとの指摘は、1990年代以降の主要国の政策に多大な影響を与えた。また2002年に、1990年代の日本経済の低迷の主因は不良債権問題ではなく、労働生産性の低下によると主張した論文「The 1990s in Japan:A Lost Decade」を、日本の経済学者の林文夫(1952― )と共同で発表したことでも知られる。[金子邦彦]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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