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プロテアソーム

栄養・生化学辞典の解説

プロテアソーム

 細胞質に存在するタンパク質分解活性をもつ巨大な複合体で,多くのサブユニットからなり,細胞内のタンパク質を選択的に分解する.多くの場合ATPを必要とし,ユビキチン化されたタンパク質をよく分解する.いくつかの細胞内の基質も明らかにされている.

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デジタル大辞泉の解説

プロテアソーム(proteasome)

生体内でたんぱく質の分解を担う巨大な酵素複合体。不要になったり、品質が劣化したりしたたんぱく質に、ユビキチンという小さなたんぱく質が付加し、これを標的として分解および再利用が進められる。細胞の寿命の制御や免疫応答などさまざまな役割をもつ。2004年、この分解過程の発見により、アブラムハーシュコ、アーロン=チカノバーアーウィンローズノーベル化学賞を受賞した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

プロテアソーム
ぷろてあそーむ
proteasome

核をもつ多くの真核生物の細胞内でタンパク質を分解しようと働く、分子量の大きい複合型の酵素。不要になったり、合成がうまくいかなかったり、変性したりしたタンパク質はユビキチンとして目印をつけられる。このユビキチン化されたタンパク質を認識して取り込み分解するのがプロテアソームで、分解産物はふたたびアミノ酸となってリサイクルされる。近年になって、このユビキチン-プロテアソームシステム(分解系)がこうした分解やリサイクルにかかわるほかに、細胞の増殖や分化など、さまざまな生命現象にも直接かかわり、またヒトの体の免疫反応にも関係していることがわかってきた。ヒト以外でも、木の葉が枯れ落ちる、あるいはオタマジャクシがカエルになるときに尾がなくなるなど、あらかじめ設定されたプログラムにそった細胞死(アポトーシス)にも密接に関係している。さらにこの分解系が崩れると、癌(がん)やパーキンソン病およびアルツハイマー病などの神経疾患、自己免疫疾患、感染症などを引き起こすことがわかってきたことから、このシステムはにわかに注目され、プロテアソームの働きを阻害することによって抗癌作用を示す新薬の開発も盛んになっている。[編集部]

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