ベル研究所(読み)ベルけんきゅうじょ(その他表記)Bell Laboratories

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ベル研究所」の意味・わかりやすい解説

ベル研究所
ベルけんきゅうじょ
Bell Laboratories

アメリカ合衆国電話電信会社 AT&T研究開発部門として設立された研究所。創業以来,科学技術分野において数々の革新的な開発を行なう。1996年,AT&Tの事業分割に伴いルーセント・テクノロジーズ(2006アルカテル・ルーセント)の傘下に入った。1925年,ベル電話研究所の名称アメリカン・テレフォン・アンドテレグラフ AT&Tの子会社として設立された。しかし組織の歴史は AT&Tの技術部門とウェスタン・エレクトリックニューヨークで統合された 1907年,ないしは AT&Tの機械部門が設立された 1883年までさかのぼることができる。主要業務は,AT&Tが製造する電気通信機器およびシステムの開発だったが,そのほか広範囲にわたる基礎研究や応用研究も通常業務として手がけた。たとえば 1926年には世界初の音声と映像の同期システムを開発(→トーキー),1937年には継電器リレー)を使用した先進的なデジタル計算機(→リレー式計算機)を製造,また同 1937年,研究員のクリントン・ジョセフ・デービソンが,電子が波動的性質と粒子的性質の二重性を示すことを確認してノーベル物理学賞を共同受賞し(→デービソン=ジャーマーの実験),ベル研究所から輩出した多数のノーベル賞受賞者のさきがけとなった。1948年にはジョン・バーディーン,ウォルター・H.ブラッティン,ウィリアム・B.ショクリートランジスタを発明し,1956年にノーベル物理学賞を受賞した。1960年代には初の電子電話交換システム(→電子交換機)を開発したほか,世界初の衛星通信システム『テルスター』(→通信衛星)を設計した。1978年,アーノ・A.ペンジアスとロバート・W.ウィルソンが,宇宙背景放射発見し,ノーベル物理学賞を共同受賞した。

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IT用語がわかる辞典 「ベル研究所」の解説

ベルけんきゅうじょ【ベル研究所】

電気通信分野の基礎技術に関する研究開発を行っている研究所。アメリカの大手電話電信会社AT&Tの独立した研究開発部門として1925年に設立。トランジスターレーザーなどの歴史的発見でも知られる。

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