アジア大陸東端のチュコート半島デジニョフ岬と北アメリカ西端のプリンス・オブ・ウェールズ岬の間にある海峡。北極海と太平洋(ベーリング海)とをつなぐ。最狭部で両大陸の距離は85km,最深部42m。10月から8月までは,流氷群に覆われる。海峡中央部にダイオミード諸島Diomede Islandsがあり,西の大ディオミード島(ラトマノフ島Ostrov Ratmanovaともいい,面積10km2)はロシア領,東の小ダイオミード島はアメリカ合衆国領である。この海峡を通過した記録としては,1648年のデジニョフS.I.DezhnyovとアレクセーエフF.Alekseevのものが最も早く,V.ベーリングの探検隊が1728年,海峡であることを確認した。現在では海峡の中央に日付変更線が設定されており,その東岸と西岸では日々,日付まで異なる朝を迎えているが,両者の距離はまさに〈手の届くほど〉のもので,氷河時代には陸続きであった。アメリカ・インディアンの祖先たちも,この陸橋を通ってアジア側から移り住んだことが知られている。
→ベーリング陸橋
執筆者:藤島 高志
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太平洋北部のベーリング海と北極海とをつなぐ狭い海峡。ユーラシア大陸と北アメリカ大陸とを分ける。前者はロシア連邦のデジニョフ岬、後者はアメリカ合衆国アラスカ州のプリンス・オブ・ウェールズ岬である。幅約90キロメートル。深いところで50メートルしかなく、北極海とベーリング海との海水の交流はほとんどない。10月から6月まで結氷する。ここには日付変更線が設定されている。1778年にクックが探検。
[鶴見英策]
ロシアのピョートル1世の命を受けたデンマーク人航海者ベーリングが1728年に発見した。シベリアとアラスカの間にあり,現在その中央を南北に日付変更線が走っている。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報
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