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ホーナイ Horney, Karen

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ホーナイ
Horney, Karen

[生]1885.9.16. ハンブルク
[没]1952.12.4. ニューヨーク
ドイツ生まれのアメリカの女性精神分析学者。旧姓 Danielsen。父はノルウェー人,母はオランダ人。 1912年ベルリン医科大学を卒業。在学中に K.アブラハムのもとで精神分析法の訓練を受けた。診療のかたわらベルリン精神分析所の訓練分析医として活躍し,精神病治療の分野で有名になり,1932年渡米 (1938帰化) ,シカゴ精神分析研究所副所長。 1934年からニューヨークで開業するとともにニューヨーク精神分析研究所,社会研究学校で教え,精神分析医を養成した。 1939年に『新精神分析法』 New Ways in Psychoanalysisを著わしてパーソナリティの形成に社会的および環境的要因の重要性を強調し,S.フロイトの生物学的な汎性欲説を批判した。このためにフロイト正統派の批判を買い,1941年に新たに精神分析振興協会を設立した。彼女は神経症発生の主因を資本主義社会機構におき,女性の歴史的,社会的な従属的地位についても先駆的研究がある。

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世界大百科事典 第2版の解説

ホーナイ【Karen Horney】

1885‐1952
新フロイト派の代表的な女性精神分析医。ハンブルクに生まれ,ベルリン大学を卒業した。学生時代からK.アブラハム,H.ザックスらの教育分析を受けた。ベルリン精神分析研究所で活動したが,1932年F.アレクサンダーに招かれて渡米,主としてニューヨークで活躍した。S.フロイトのリビドー理論を批判し,幼児性欲よりも文化的要因や社会的要因を重視した。そして去勢コンプレクスよりも幼児期の環境と対人関係の役割に注目し,幼児期に十分な愛情を受けられないときに幼児の抱く不満と敵意にみちた孤立感や無力感を〈基本的不安〉と名付け,それを神経症発生の素地と考えた。

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大辞林 第三版の解説

ホーナイ【Karen Horney】

1885~1952) アメリカの精神分析学者。新フロイト派の一人。人格形成における社会的要因を強調した。主著「自己分析」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ホーナイ
ほーない
Karen Horney
(1885―1952)

アメリカの心理学者。ドイツのハンブルクに生まれる。1913年ベルリン大学で医学の学位をとる。1932年アメリカに渡り、のち帰化。フロムサリバンなどとともに新しい精神分析の研究機関をつくり、新フロイト派の推進役を務める。フロイトの精神分析を生物学的、機械論的であると批判し、文化的影響を強調。また、神経症の根源は、幼児期の基本的不安に基づくものと考える。女性の心理にも関心が強く、フロイトの去勢コンプレックスを中心にした女性論を男根中心主義と批判し、のちの女性解放運動に大きな影響を与えた。[外林大作・川幡政道]
『ダグラス・イングラム編、近藤章久訳『ホーナイの最終講義――精神分析療法を学ぶ人へ』(2000・岩崎学術出版社)』

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世界大百科事典内のホーナイの言及

【新フロイト派】より

…1934年ころから第2次大戦後にかけて,アメリカ,ニューヨーク精神分析研究所のK.ホーナイを中心に興った,新しい精神分析学の一派。文化学派,フロイト左派と呼ばれることもある。…

【精神分析】より

…しかし,アメリカでは文化人類学や社会学との深い交流によって,個人の自我・パーソナリティ形成と文化・環境との関係の探求が深められるとともに,幼児期における両親の役割など,育児,教育,社会的非行その他の広い分野の研究に拡散しつつ深く大きな影響をひろげた。 第2は,K.ホーナイ,フロム,サリバン,フロム・ライヒマンF.Fromm‐Reichman(1890‐1957)ら,フロイトの性欲あるいは本能の第一義性を強調する生物学主義を批判し,社会的・文化的条件と諸個人の社会的性格の形成を重視して探求する方向である。彼らは,新フロイト派あるいはフロイト左派とよばれる。…

※「ホーナイ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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