日本大百科全書(ニッポニカ) 「ボストン交響楽団」の意味・わかりやすい解説
ボストン交響楽団
ぼすとんこうきょうがくだん
Boston Symphony Orchestra
アメリカのオーケストラ。1881年ヘンリー・リー・ヒギンソンにより創設され、同年ジョージ・ヘンシェルを音楽監督に迎えて演奏活動を開始。ニキシュ、ムック、モントゥーらの名指揮者を次々に音楽監督として招き、名声を高めた。1924年から49年まで四半世紀にわたりセルゲイ・クーセビツキーが監督を務め、当時の主要作曲家に新作を依頼、バルトークの『管弦楽のための協奏曲』など多くの優れた作品を初演した。彼以後はミュンシュ(1949~62)、ラインスドルフ(1962~69)、スタインバーク(1969~72)を経て、73年から2002年までは小沢征爾(せいじ)が音楽監督の任にあった。優れた音響で知られたボストン・シンフォニー・ホールにおける定期演奏会のほか、演奏旅行、録音、タングルウッド音楽祭への参加など多面的に活動を続けている。60年(昭和35)初来日。1930年にアーサー・フィードラーによって始められ、79年以後はジョン・ウィリアムズ指揮による軽音楽コンサートには、ボストン・ポップスの名称で出演している。
[美山良夫]
『カール・A・ヴィーゲランド著、木村博江訳『コンサートは始まる――小沢征爾とボストン交響楽団』(1990・音楽之友社)』