マオウ(読み)まおう

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

マオウ
まおう / 麻黄
[学]Ephedra sinica Stapf

マオウ科(分子系統に基づく分類:マオウ科)の草状の常緑小低木。シナマオウともいう。高さ20~40センチメートル。根茎は黄赤褐色で木質をなし、厚く、曲がっている。茎は緑色で細長く、分枝し、やや扁平(へんぺい)で節が多く、外形はトクサに似る。葉は細かく、白い小鱗片(りんぺん)状で茎節に対生し、その基部は合体して茎を包み、短い莢(さや)となる。雌雄異株。夏、茎の先に小さな卵形の単性花序をつくる。花序には対生する数枚の包葉がある。雄花は雄しべ2~4本が合生し、葯(やく)は黄色。雌花は2枚の合生した包葉に包まれて2個あり、裸の胚珠(はいしゅ)をもつ。雌花を包んだ包葉は熟すと肉質で鮮やかな赤色となり、長卵形で黒褐色の種子が2個ある。中国東北部原産。
 マオウ属は世界の温帯の乾燥地に分布、約40種知られ、薬用とするものが多い。[林 弥栄]

薬用

地上部の草質茎を刻んだものを漢方では麻黄(まおう)といい、発汗、解熱、鎮咳(ちんがい)、利尿剤として感冒や流感などの熱性病の初期の治療のほか、喘息(ぜんそく)、気管支炎、皮膚病、関節痛、腎炎(じんえん)、浮腫(ふしゅ)などに用いる。草質茎にはアルカロイド、サポニン、タンニン、配糖体が含まれるが、薬用に供されるのは、アルカロイドのエフェドリン、メチルエフェドリンを含有する種類である。おもな種には、マオウのほか、中国東北部、内モンゴルからヨーロッパ南部のステップ地帯に分布するフタマタマオウE. distachya L.、華北から中央アジアに分布するエキセティナ種E. equisetina Bunge、インド、パキスタンに分布するゲラルディアナ種E. gerardiana Wall.、ネブロデンシス種E. nebrodensis Tineoなどがある。エフェドリンは副腎髄質ホルモンのアドレナリンに構造および作用が似ており、交感神経の末端を刺激するほか、中枢神経を強く興奮させる。[長沢元夫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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