エフェドリン(読み)えふぇどりん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「エフェドリン」の意味・わかりやすい解説

エフェドリン
ephedrine

C10H15NO 。エフェドリンには4種の異性体があるが,普通エフェドリンという場合は l 体をさす。長井長義により 1892年に裸子植物マオウ科のマオウ (麻黄)より単離されたアルカロイド。生物活性の強い無色結晶。化学構造,薬理作用はアドレナリンと類似している。作用機序は,α,β受容体の直接刺激作用,交感神経終末からのカテコールアミン遊離作用,再取込み阻害MAO (モノアミン酸化酵素) 阻害などが知られており,前の2つが最も重要である。中枢興奮作用,比較的短時間で薬剤耐性を生じること,経口投与可能であることなどは,アドレナリンと大きく異なる点である。血圧上昇,気管支拡張散瞳などの目的で臨床に用いられる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「エフェドリン」の意味・わかりやすい解説

エフェドリン
えふぇどりん

塩酸エフェドリン

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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