マツモ(松藻)(読み)マツモ(英語表記)Ceratophyllum demersum; hornwort

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マツモ(松藻)」の意味・わかりやすい解説

マツモ(松藻)
マツモ
Ceratophyllum demersum; hornwort

マツモ科の水生の多年草。日本をはじめ,全世界の淡水に広く分布する。池や沼などの水中に沈んで生える。根がなく,枝の変化した仮根で地につく。茎は長さ 20~40cmになり,枝先が殖芽となって越冬する。葉は5~12個が輪生し,針状で2~4回叉状に分れる。6~7月頃に,葉腋に柄のない紅色花を単生する。花は雌雄の別があり,深く裂けた花被 (総包とする説もある) をもち,雄花には花糸がほとんどなく葯 (やく) が群生する。果実楕円形で細いとげがある。金魚鉢などに入れて観賞するのでキンギョモの名もあるが,同名の異種がある。

マツモ(松藻)
マツモ
Heterochordaria abietina

褐藻類ナガマツモ目ナガマツモ科の海藻潮間帯の岩上に着生する。各藻体は長さ 15~30cm,基部塊状の仮根をもち叢状になる。中軸小枝を密生した形状はマツ科植物の枝を想起させるのでこの名がある。冬に繁茂した群落を生じ食用とされる。本州太平洋岸犬吠埼以北,北海道,千島サハリンから北アメリカ西岸,ベーリング海に分布する。

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