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マルセル Marcel, Étienne

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

マルセル
Marcel, Étienne

[生]1315頃
[没]1358.7.31. パリ
フランスの政治家。パリ毛織物商業組合に属する富商の出身。 1355年パリ商人会頭 (実質上のパリ市長) に選ばれ,全国三部会で指導的な役割を演じた。ポアティエの敗戦で国王ジャン2世がイングランドに捕えられたのち,市民軍を組織してパリを防衛。 57年の全国三部会で,皇太子シャルルに迫って,王の徴税権制限と全国三部会重視の国政改革を目的とする大勅令を公布させた。皇太子が大勅令の実施を拒否したため,58年2月皇太子の面前でその側近2名を殺害し,公然と反乱を起した (エティエンヌ・マルセルの乱) 。ジャックリーと農民暴動 (→ジャックリーの乱 ) をはかったが成功せず,フランス王位をねらうナバール (ナバラ) 王シャルル2世 (邪悪王) と結託してそのイングランド人部隊を首都に導入しようとして,パリ市民の反感を買い,反対派のために殺害された。

マルセル
Marcel, Gabriel

[生]1889.12.7. パリ
[没]1973.10.8. パリ
フランスの哲学者,劇作家。 1912年病んでスイスに行き,第1次世界大戦中は赤十字活動に参加,人間の実存への関心を深めた。 29年カトリックに入信。『形而上学的日記』 Journal métaphysique (1927) はすでにのちの実存主義が展開する多くの問題を扱っており,キリスト教的実存主義の代表者とされる。しかし体系化をきらって問いかけを重視する彼は,新ソクラテス派を自称した。 57,66年の2度来日し,各地で講演を行なった。主著に『存在と所有』 Être et avoir (35) ,『旅する人間』 Homo viator (45) ,『存在の神秘』 Le Mystére de l'être (2巻,51) など。戯曲は約 20編。

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デジタル大辞泉の解説

マルセル(Gabriel Marcel)

[1889~1973]フランスの哲学者。無神論的実存主義であるサルトルに対し、キリスト教的実存主義を展開。著「存在と所有」「形而上学日記」などのほか、戯曲も多く書いた。

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百科事典マイペディアの解説

マルセル

フランスのカトリック哲学者。哲学的著作のほか,多くの戯曲や省察がある。サルトルに対して,〈神に向かう実存主義者〉〈現代のソクラテス〉といわれる。著書《形而上学的日記》(1927年),《存在の神秘》(1951年)など。

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世界大百科事典 第2版の解説

マルセル【Étienne Marcel】

1316?‐58
フランス中世のパリ市長。パリの名門毛織物商人の家に生まれる。取引を通じてフランドルの改革者と知り合う。市民の信頼を集め1355年,商人頭(パリ市長)prévôt des marchandsとなり,同年北フランスの地方会議で活躍。ポアティエ敗戦後,行政改革と議会の強化を求め57年4月王政府に反抗(エティエンヌ・マルセルの乱)したが,血族の裏切りにあい58年7月31日,サン・タントアーヌ門で暗殺された。

マルセル【Gabriel Marcel】

1889‐1973
フランスのカトリック思想家,人格主義哲学者。アカデミックな哲学者ではなく,戯曲や省察風の哲学論文を通じて,あるいは少数の友人たちとの親密な対話を通じて,現代における人格としての生き方探究証言に専念し,〈現代のソクラテス〉とも称せられる。技術文明や大衆化社会など,人格の尊厳を脅かす要因と対決し,〈存在〉と〈所有〉,〈問題〉と〈神秘〉などの基本概念についての徹底した反省や分析を行い,超越的な神に向かって開かれた人間実存の諸相を解明している。

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大辞林 第三版の解説

マルセル【Gabriel Marcel】

1889~1973) フランスのカトリック哲学者。キリスト教的実存主義の立場から人間的実存の諸相を記述。著「形而上学日記」「存在と所有」など。

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世界大百科事典内のマルセルの言及

【ジャックリーの乱】より

…農民は領主館をおそい領主の家族を殺傷し保管文書を焼却した。一揆は自然発生的であったが,ギヨーム・カルルGuillaume Carle(Cale,Charles)という退役戦士に指導されるようになり,都市との提携,とくにパリで反乱を起こしたエティエンヌ・マルセルとの結合をはかった。しかし,フランスとイギリスの貴族は同盟しナバール王シャルル・ル・モーベーCharles II,le Mauvais(悪王)の配下に結集し,6月に入って,約1万の反乱農民はモーおよびクレルモンで殲滅(せんめつ)され(6月9日~10日),指導者カルルは斬首された。…

【パリ】より

…人口はヨーロッパの都市のなかで最大の20万に達したといわれる。こうした背景のもとでプレボ・デ・マルシャンとなったÉ.マルセルは,1357年にパリで開かれた全国三部会を動かして,王権に対して国制改革を約束させたが,この〈大勅令〉が拒否されると翌年に反乱を起こした。しかし64年に即位したシャルル5世は,絶対王政に向かって中央集権化に努め,フランスに小康をもたらした。…

※「マルセル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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