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ミストラル Mistral, Frédéric

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ミストラル
Mistral, Frédéric

[生]1830.9.8. マイヤーヌ
[没]1914.3.25. マイヤーヌ
フランスの詩人。エクス大学で法律を学ぶ。二月革命後の中央集権的傾向に対しプロバンス地方の言語,文化を擁護するため,1854年,J.ルマニーユ,T.オーバネルらと「フェリブリージュ」を結成,生涯をこの運動に捧げた。オック語による叙事詩『ミレイオ』 Mirèioは 59年パリで出版された。ほかに叙事詩『カレンダウ』 Calendau (1867) ,詩集『金の島々』 Lis Isclos d'or (75) ,オック語の辞典『フェリブリージュ宝典』 Lou tresor dóu Félibrige (2巻,78) など。 1904年ノーベル文学賞受賞。

ミストラル
Mistral, Gabriela

[生]1889.4.7. ビクーニャ
[没]1957.1.10. ニューヨーク,ヘムステッド
チリの女流詩人。本名 Lucila Godoy Alcayaga。教師の娘として生れ,彼女自身も多年教育に献身した。初期の作品は,婚約者の自殺によって挫折した愛の苦悩と不毛の母性に対する絶望に貫かれているが,後期の詩ではそれらは昇華されて,汎神論的な無限の愛へと変化している。代表的な詩集に『荒廃』 Desolación (1922) ,『愛情』 Ternura (24) ,『開墾』 Tala (38) 。国際連盟をはじめ海外での外交官生活も長い。 1945年ノーベル文学賞受賞。

ミストラル
mistral

フランスのローヌ川河谷を地中海に向かって吹き抜ける局地風。山の斜面を吹きおろす強い北風で,ボラの一種であるが,細長い谷間を吹き抜けるため気流が収束し,さらに強風となる。冬から春にかけて吹き,ローヌ川下流域では風速 30~40m/sに達するうえ,非常に冷たく,農作物に多大な被害を与えることがある。

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デジタル大辞泉の解説

ミストラル(Frédéric Mistral)

[1830~1914]フランスの詩人。生地プロバンス地方の言語と文学の復興・刷新に貢献。1904年ノーベル文学賞受賞。叙事詩「ミレイユ」、近代プロバンス語辞典「フェリブリージュ宝典」など。

ミストラル(Gabriela Mistral)

[1889~1957]チリの女流詩人・外交官。自殺した恋人への愛を、詩作過程人類愛にまで昇華。1945年ノーベル文学賞受賞。詩集「荒廃」「愛情」「開墾」など。

ミストラル(〈フランス〉mistral)

フランスのローヌ川沿いに地中海に向かって吹き下ろす、冷たく乾燥した強い北風。冬から春にかけて生じる。

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百科事典マイペディアの解説

ミストラル

フランスの詩人。1854年オーバネルらと文学団体〈フェリブリージュ〉を結成,プロバンス語とその文学の維持・発展に努め,また中央集権に抵抗,連邦主義を提唱した。叙事詩《ミレイユ》(1859年),抒情詩《黄金島》のほか,言語・風俗大辞典《フェリブリージュ宝典》の労作がある。

ミストラル

チリの女性詩人。本名ルシーラ・ゴドイ・アルカヤガ。若き日の恋人の自殺という個人的経験に根ざした,《荒廃》(1922年)をはじめとする初期の詩集では,愛と絶望の深さが,素朴ではあるが近代主義的洗練さをもって歌われている。

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デジタル大辞泉プラスの解説

ミストラル

日産自動車が1993年から2006年まで製造、販売していた乗用車。3、5ドアのSUV。スペイン本拠を置く同社子会社が生産し、日本で販売された。

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世界大百科事典 第2版の解説

ミストラル【Frédéric Mistral】

1830‐1914
近代プロバンス語の大詩人。ルーマニーユオーバネルらと1854年南仏における文学復興運動〈フェリブリージュ〉を結成した。この運動は久しく俚語と化していた南仏語を刷新して,中世期に栄えた南仏文学を復興し,あわせて南仏の民族意識の顕揚を目標とした。ミストラルの生涯は〈フェリブリージュ〉精神の発揚に沿って展開して行ったと見られる。55年機関誌《プロバンス年鑑》を刊行して,活発な運動を始めた。ちなみに上田敏の訳詩集《海潮音》にある,オーバネル作と銘打たれた名訳〈小鳥でさへも巣は恋し……〉は,上記の《年鑑》の冒頭に掲げられたミストラルの長詩の一部とみられる。

ミストラル【Gabriela Mistral】

1889‐1957
チリの女流詩人,外交官。ラテン・アメリカで最初にノーベル文学賞(1945)を受賞した。本名はルシラ・ゴドイ・アルカヤガ。若いときから教職に携わり,1922年に処女詩集《悲嘆》を発表したが,この作品は彼女の最高傑作にあげられている。恋人の自殺によって精神的打撃を受けた傷心の詩であり,愛と悲しみがテーマになっている。だが第2の作品《破壊》(1938)では精神的苦悩が宗教による魂の救済へと昇華され,第3のそして最後の詩集《ぶどう桶》(1954)の中では自然と人間に対する普遍的な愛がうたわれ,成熟した女流詩人としてのやさしい心情が吐露されている。

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大辞林 第三版の解説

ミストラル【Mistral】

〔Frédéric M.〕 (1830~1914) フランスの詩人。南フランスのプロバンス語の統一とこれによる文学の発展に努めた。叙事詩「ミレイユ」「カランダル」、近代プロバンス語辞典「フェリブリージュ宝典」など。
〔Gabriela M.〕 (1889~1957) チリの女性詩人・外交官。恋人の自殺を機に「荒廃」を発表。テーマとなった愛を作品ごとに普遍的なものへと昇華させていった。

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世界大百科事典内のミストラルの言及

【風】より

…この場合,滑降の途中で断熱昇温しても,もともと寒冷な空気なのでさほど気温も上がらず冷たい風である。 ミストラルmistralフランスのローヌ川峡谷を通り,地中海の北西沿岸,とくにリオン湾に吹き降ろしてくる北寄りの強風。冬から春に多く,冷たくて乾燥した風で,性質はアドリア海のボラに似ているが,ボラよりはいくぶん穏やかである。…

【地中海】より

…一般に冬の地中海の気候は,地域的に多様であり,また年による変化が大きい。地中海に流出する冷たい空気は,地形的影響もあって,ミストラル,ボラなどの局地風となる。またイタリアのアドリア海沿岸部は,ボラによって,かなりの積雪がもたらされることになる。…

【フランス】より

…冬は一般に温暖であるが,西からやってくる低気圧が地中海上で発達すると,内陸の高気圧からローヌ河谷に向かって寒い北風が吹き込む。これが,ゴッホの絵にみられるように防風林をも風下に傾ける強い地方風のミストラルmistralである。 第2は冬季,内陸の高気圧に支配される大陸性気候(冷帯湿潤気候)で,冬は寒く乾燥して晴天が多い。…

【プロバンス】より

…地中海式気候の冬雨地帯で,年降雨量は約600mmにすぎないが,ときに集中的な豪雨によって,河川の氾濫を招く。また,冬季にミストラルとよぶ北方からの冷たい強風が吹き,低温や降雪がみられ,風景が一変することがある。地中海的植生におおわれ,ことに,イトスギ,マツ(アレッポマツ),コルクガシなどの樹木,オリーブほかの果樹,ミモザ,ラベンダー,アカネなどの野草,栽培植物が,プロバンス独特の景観を生み出している。…

【チリ】より

…同じ年齢の生徒が小学校4年まで進学する比率は,1980年の男子78%,女子81%から90年には男女とも95%に上昇している。 芸術・文化活動も盛んで,詩人のガブリエラ・ミストラルとパブロ・ネルーダが1945年と71年にそれぞれノーベル文学賞を受賞している。《夜のみだらな鳥》で知られるシュルレアリスムの小説家ドノソJosé Donoso(1924‐96),ピアノ奏者のアラウClaudio Arrau(1903‐91)も,世界にその名を知られている。…

※「ミストラル」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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