ミズキ科(読み)ミズキか

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミズキ科」の意味・わかりやすい解説

ミズキ科
ミズキか
Cornaceae

双子葉植物セリ目の1科。南北両半球の温帯域を中心に 12属約 100種が広く分布する。大部分高木または低木,まれにゴゼンタチバナ (御前橘)のような草本状の種もある。葉は互生または対生し,全縁の単純葉で葉柄がある。花は小型で,多数が密に集って散形や散房状,ときに頭状の花序 (→散形花序 , 散房花序 , 頭状花序 ) をつくる。個々の花は4~5数性で小さな萼片花弁を4,5枚ずつもち,同数のおしべと1本のめしべがある。めしべは完全な子房下位。ミズキ属には細花が頭状花序をつくり,それを包むように大型の総包片4枚を花弁のようにもつものがある (ヤマボウシ〈山法師〉ハナミズキ〈花水木〉など) 。果実液果または核果ヤマボウシなどでは集合果となる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミズキ科」の意味・わかりやすい解説

ミズキ科
みずきか
[学] Cornaceae

双子葉植物、離弁花類常緑または落葉の高木、低木、ときに草状の小低木。葉は単葉で、対生または互生する。花は集散花序または頭状花序をなし、両性または単性、4まれに5数性で放射相称である。雄しべは4本であるが、まれに3~5本のものもある。子房は下位で1~4室、各室に1個の胚珠(はいしゅ)が垂れ下がる。果実は核果状。温帯を中心に7属約100種あり、日本にはハナイカダ属、アオキ属、ミズキ属の3属7種が分布する。ミズキ属は、狭義のミズキ属、ヤマボウシ属、ゴゼンタチバナ属、サンシュユ属に細分される。

[山崎 敬 2021年3月22日]

 分子系統解析に基づく研究によって、ミズキ科に含まれていたグループのいくつかはお互いに系統が異なることが判明し、アオキ科、ハナイカダ科などとして分離し、また、別の科に移されたものもある。ウリノキ科はミズキ科に含まれるようになった。APG分類ではミズキ科は2属約85種あり、日本には2属7種が自生する。

[編集部 2021年3月22日]


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