ミヤマクワガタ(英語表記)Lucanus maculifemoratus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミヤマクワガタ」の意味・わかりやすい解説

ミヤマクワガタ
Lucanus maculifemoratus

甲虫目クワガタムシ科。日本産クワガタムシ科の代表種で,南西諸島,対馬などを除き各地に普通にみられる。体長は雄で 43~72mm,雌で 32~39mm。体は光沢のある明るい栗色ないし黒色で,全体に金色微毛がある。雄の大腮は大きく,内歯が発達していて立派である。基方の第1内歯は特によく発達している。後頭部左右はやや盛上り後方に少し突き出ている。大腮の形によって,いくつかの型に分けられている。成虫は6~9月に現れるが,低山地より高山地のほうが大きい個体が多い。樹液に集り,これを吸う。雄はけんかを好み,樹液場では大腮で他の虫を追払ったりする。灯火にもやってくる。成虫では越冬しない。

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知恵蔵mini 「ミヤマクワガタ」の解説

ミヤマクワガタ

ほぼ日本全土に生息する比較的大型のクワガタムシ。酷暑乾燥に弱いため主に高く深い山(深山=ミヤマ)を生息域とする。旧環境庁により、環境調査のために選ばれる「指標昆虫」に指定されている。オスの体長は22~78ミリメートルほどで、頭部に冠のような平たい突起を持つことと、体長の3~4分の1ほどの太い大アゴ(ハサミ)を持つことが特徴。メスの体長は25~49ミリメートルほどで、ハサミはごく小さい。一部調査によると、2009年くらいから個体数が急速に減少しているという。

(2014-8-7)

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小学館の図鑑NEO[新版]昆虫 「ミヤマクワガタ」の解説

ミヤマクワガタ
学名:Lucanus maculifemoratus

種名 / ミヤマクワガタ
目名科名 / コウチュウ目|クワガタムシ科
解説 / 昼間も活動し、樹液に集まります。
体の大きさ / ♂30~79mm、♀25~45mm
分布 / 北海道~九州
成虫出現期 / 6~9月

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世界大百科事典(旧版)内のミヤマクワガタの言及

【クワガタムシ(鍬形虫)】より

…ノコギリクワガタProsopocoilus inclinatus(イラスト)の大あごは大歯型,中間型,小歯型に大別できる。幼虫の多くは広葉樹の枯木や朽木に穿孔(せんこう)するが,御蔵島産のミクラミヤマクワガタLucanus gamunusのようにイネ科植物が生えた土壌中に生息する種もいる。幼虫はコガネムシ科の幼虫に似ている。…

※「ミヤマクワガタ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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