メクラアブ(読み)めくらあぶ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メクラアブ」の意味・わかりやすい解説

メクラアブ
めくらあぶ / 盲虻

昆虫双翅(そうし)目短角亜目アブ科の昆虫の1種。キンメアブ旧名。吸血飛来の際、体にまつわりつき、周りが見えていないかのごとく突進してくるようすからこの名称でよばれてきたが、1981年の国際障害者年の際、不適当な名ということでハネモンアブへの改称が提起された。現在はキンメアブが昆虫学関連学会で認められているが、ハネモンアブの和名も残っている。

倉橋 弘]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「メクラアブ」の意味・わかりやすい解説

メクラアブ
Chrysops suavis

双翅目アブ科。体長 10~11mm。体は光沢のある黒色で,胸背に1対の灰黄色縦条があり,腹部第1,2節の両側正中線は黄色である。単眼が発達し,複眼緑色に輝く。翅は透明で前縁と中央部の斑紋黒褐色成虫は春から夏にかけて出現し,人畜から吸血する。北海道,本州四国,九州に産し,朝鮮,中国,ウスリー,シベリアに分布する。 (→アブ )

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百科事典マイペディア 「メクラアブ」の意味・わかりやすい解説

メクラアブ

双翅(そうし)目アブ科の昆虫。日本全土,朝鮮,樺太,シベリアなどに分布。体長10mm内外,黒色,前胸に灰色の縦条があり,腹部の基半部は黄色。初夏に発生し,人畜にしつこくつきまとって吸血する。幼虫は水辺の泥土中に住む。この類には他にクロメクラアブ,キゴシメクラアブなど数種ある。

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世界大百科事典(旧版)内のメクラアブの言及

【アブ(虻)】より

…牛馬を好んで襲うものに,灰黒色から灰褐色のウシアブ(イラスト),黄灰色から黒色で体長2~3cmのアカウシアブなどがある。人を刺し吸血するものには,翅に黒色斑のあるメクラアブ(イラスト),灰色で中型のシロフアブ,ゴマフアブなどがある。アブに刺されると激しい痛みをおぼえ,発赤ばれなどが見られ,しばらくしてから激しいかゆみが起こる。…

※「メクラアブ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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