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メナンドロス メナンドロス Menandros

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

メナンドロス
メナンドロス
Menandros

[生]前342/前341. アテネ
[没]前292/前291
ギリシアの喜劇詩人。アッチカ新喜劇の代表的作者。 100編以上の作品があったと伝えられるが,写本として現存するものはなく,1905年エジプトで発掘されたパピルスから,『調停裁判』 Epitrepontes,『髪を切られる女』 Perikeiromenē,『サモスの女』 Samiaなどの大断片が発見され,58年にはほとんど完全な『気むずかし屋』 Dyskolosのパピルスが公表された。

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メナンドロス
メナンドロス
Menandros

前2世紀後半頃アフガニスタン (カブール川流域) ,インド (パンジャブ地方,ジャムナ川流域) を支配したギリシア人の王。ミリンダ王ともいう。彼の名を刻んだ貨幣は,インドを支配したギリシア人諸王のなかで最も多量かつ広範囲に発見されており,かなりの勢力のあったことが知られる。

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デジタル大辞泉の解説

メナンドロス(Menandros)

[前342ころ~前291ころ]古代ギリシャの喜劇作家。アテネの市民生活を題材に、性格描写の巧みな風俗喜劇を100編ほど書いたが、現存するのは「気むずかし屋」など4編で、他は断片だけが伝わる。

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百科事典マイペディアの解説

メナンドロス

ギリシアの新喜劇の代表的作家。アテナイ人。日常生活や市井の出来事に取材して,性格を巧みに描写する。またエウリピデスの悲劇の手法の影響もみられる。プラウトゥステレンティウスローマの喜劇作家によく模倣されたことにより,間接的に近代喜劇にも影響を与えた。
→関連項目ギリシア演劇ギリシア喜劇

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世界大百科事典 第2版の解説

メナンドロス【Menandros】

インド・ギリシア人が西北インドに建てた王国の王。在位,前155‐前130年ころ。生没年不詳。パンジャーブ地方のシャーカラ(サーガラ,現在のシアールコートとする説が有力)に都を置き,アフガニスタンから北インド中部に至る領土を支配した。この王の発行した貨幣の種類と量は多く,また分布範囲も他のインド・ギリシア人王にくらべてはるかに広い。ギリシア本土では正義をもってインドを支配した大王としても知られていた。

メナンドロス【Menandros】

前342ころ‐前292ころ
古代ギリシア,アテナイの喜劇作家。アッティカ古喜劇と対比されるアッティカ新喜劇の代表的作家で,喜劇作家アレクシスの甥。彼の喜劇で劇化されるのは,極めて日常的な人間関係,すなわち親と子,男(夫)と女(妻),主人と奴隷,隣人,友人といったものである。アリストファネスらのアッティカ古喜劇が有した破壊的な言語の力,想像力はここには欠如しているが,人々の生活感情の機微を表現することにかけてはめざましいものがあり,アレクサンドリア時代の文芸評論家の〈メナンドロスと人生よ,おまえたちは,どちらがどちらの模倣者なのか〉という評言は有名である。

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大辞林 第三版の解説

メナンドロス【Menandros】

前342頃~前291頃) 古代ギリシャの劇作家。ギリシャ新喜劇の代表的作家。百余編を作ったと伝えられる。多数の断片のほか、「デュスコロス(気むずかし屋)」「調停裁判」など五編のパピルス断簡が現存。死後、ローマの喜劇作家テレンティウスやプラウトゥスによって多く翻案され、後世の演劇芸術に大きな影響を与えた。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

メナンドロス
めなんどろす
Menandros
(前342/341―前291/290)

古代ギリシア新喜劇の代表的作家。アテネ上流階級の出身で、中期喜劇の作家アレクシスの甥(おい)。哲学者テオフラストスに師事し、またエピクロスとは友人の仲であったといわれる。紀元前321年『怒り』をもって競演の場にデビューして以来、生涯に100編以上書いたが、現存するのは『気むずかし屋』『調停裁判』『髪を切られる女』『サモスの女』の4編で、あとは大断片『先祖の霊』を筆頭にすべて断片である。前記の4編にも欠損部分が多い。
 前4世紀は、前5世紀と違い政治よりも哲学・修辞学の時代、また個人の国家からの遊離の時代であった。こうした時代背景をもつメナンドロスの作品は、古喜劇のもっていた強烈な政治性と個人風刺には欠けるが、その反面、日常市民生活の種々の様相を、警句、皮肉、また思いやり、そして一種の諦念(ていねん)すら含んだ筆致で活写し、そこに潜む人生の哀歓を生き生きと描出している。筋立ては、恋の駆け引き、私生児と捨て子の問題、親子兄弟の対面などがおもなもので、そこに狡猾(こうかつ)だが忠実な召使い、利発な遊女、頑固親父(がんこおやじ)、放蕩(ほうとう)息子、尊大な軍人、若妻、恋に悩む若者、純情な乙女などの諸人物が登場し活躍する。その筆の冴(さ)えは、すでに古代において「メナンドロスと人生よ、汝(なんじ)らのうちのどちらがどちらを模写したのか」(ビザンティオンのアリストファネス)との賛辞を博しているほどであるが、しかしその作品は、単に当時の世相の模写にとどまるものではない。それは、随所にみられる詩人の透徹した人生観、人間観によって、単なる風俗喜劇を超えたところに到達しているといいえよう。この点で彼は、ジャンルは異なるとはいえ、悲劇詩人エウリピデスの後継者ともみなされるのである。[丹下和彦]
『呉茂一訳『気むずかしや他三編』(『ギリシア喜劇全集2』所収・1961・人文書院) ▽田中美知太郎編『ギリシァ劇集』(1963・新潮社)』

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世界大百科事典内のメナンドロスの言及

【ミリンダ王の問い】より

…途中までの漢訳として《那先比丘経(なせんびくきよう)》(訳者不明,2巻本と3巻本の2種)がある。ミリンダ王とは,前2世紀ころ西北インドを支配していたギリシア人の王メナンドロスのことで,王が仏僧ナーガセーナ(那先)と仏教教理に関する問答を重ね,ついに信者になった過程を記している。(1)王とナーガセーナの前世の因縁を記した部分,(2)両者が3日間の対話のすえに師弟となった経緯,(3)ミリンダ王が仏教に関する難問を発し,ナーガセーナが答える部分,(4)修行者の守るべき徳目を比喩によって述べる部分,からなる。…

【アルキフロン】より

…同時代人ルキアノスの対話編から材料を得て,模倣も多いが,庶民生活の生き生きとした描出は優れている。遊女の書簡は,新喜劇の作家とくにメナンドロスに関する情報を提供している点で貴重である。【高橋 通男】。…

【ギリシア演劇】より

…前400年以降,アテナイは政情に激変をきたし,喜劇詩人たちは政治批判や個人攻撃には背を向けるが,彼らが古喜劇時代から継承した〈創作の自由〉はなお生き生きと,中喜劇,新喜劇の時代に受け継がれ,新しい形態の演劇活動を生むこととなる。アリストファネスの最晩年の作《福の神》(前388)から新喜劇の作者メナンドロスの初(優勝)作《デュスコロス》(前316)までの約70年間,悲劇の新作は激減し,とみに悲劇は〈古典芸能〉視される運命にあったが,喜劇の分野では(作品は伝存していないが)その時代は,新しい筋立てと登場人物の組合せをめぐる活発な試行錯誤の実験が重ねられ,ついにメナンドロスによる人間喜劇の誕生をみる。その間に,喜劇はかつての構造的中心であった〈パラバシス場面〉を失う。…

【ギリシア文学】より

…ヘレニズム文明の拡散と同時に,ギリシア文学もおのずと主題と装いを改めていく。アテナイでは前5世紀の悲劇・喜劇は〈古典〉となり遠ざかるが,これらに代わってメナンドロス,フィレモンPhilēmōn,ディフィロスDiphilosらの〈新喜劇〉が新しい時代の先駆となる。ここではかつてのように一都一国の命運を担った英雄や政治家が悲劇・喜劇の中心を占めるわけではない。…

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