メーン(読み)めーん(英語表記)Sir Henry James Sumner Maine

  • 1822―1888

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

イギリスの著名な法学者。ケンブリッジ大学で給費生として勉強したのち、1847年から1854年まで母校で欽定(きんてい)講座担当教授を務め、その間の1850年にはバリスターの資格を付与され、また、1852年からはインズ・オブ・コート(法曹学院)でローマ法と法学を講じるようになった。その成果をまとめたのが名著『古代法』(1861)であって、このなかで、それまでの法の発展を「身分から契約へ」ということばで表現したことは有名である。これは、近代社会の特徴を巧みに説明したものとして、法学以外の分野でも広く用いられる。1862年にインドに赴き、総督評議会の法律委員として7年間勤務し、1869年から1878年までオックスフォード大学の法史学・比較法の教授、1887年から1888年までケンブリッジ大学の国際法の教授を歴任した。彼はドイツ歴史法学の影響を受け、それまで分析法学が主流であった法学研究に歴史的・比較的な方法を導入した。イギリスにおける歴史法学はメーンに始まるとされる。おもな著作には、前掲の『古代法』のほか『村落共同体』(1871)、『制度の初期の歴史に関する講義』(1875)などがある。[堀部政男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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