統計資料の整理にあたり,多数の数値の分布に関する集団的特徴を表すために用いられる数値で,その値のまわりに分布しているとみられる中心的な位置を示す。それには,ふつう平均値,モード,メジアンなどが用いられる。その中で平均値がいちばんたいせつである。値x1,x2,……,xnをとる頻度がそれぞれf1,f2,……,fnであれば,とおいて,が平均値である。モードは頻度fiが最大であるようなxiを指す。ヒストグラムでいえばいちばん高い階級値にあたる。メジアンは中位数とも呼ばれ,集団の数値を大きさの順に並べたとき中央にくる値であって,総数Nが奇数なら1/2(N+1)番目を,偶数のときは中央の二つの数値の相加平均をとる。
これらの代表値は確率分布の場合にも同様な意味で定義され,分布の特性を表す数値として重要な意味をもつ。分布の型がわかれば,たとえばポアソン分布とか幾何分布とか,平均値やメジアンを知ることによってある程度分布を規定することができる。正規分布の場合は3種の代表値はすべて一致する。
執筆者:飛田 武幸
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
あるクラスの全員の身長を記録したものなど、与えられた資料を度数分布表などに整理すれば、資料の分布の状況が見やすいものになる。その分布を1個の数値で代表させるとき、その数値を代表値という。代表値としては普通、平均値(相加平均)、相乗平均、メジアン、モードが用いられる。資料のすべてを大きさの順に並べたとき、中央の順位にくる値をメジアンまたは中央値という。すなわち、N個の値を大きさの順に並べたものをx1<x2<……<xNとするとき、Nが奇数であればm=(N+1)/2としてxmをメジアン、Nが偶数であればm=N/2として(xm+xm+1)/2をメジアンとする。次に、資料のうちに等しいものがいくつもあるとき、もっとも多数回現れる値をモードまたは最頻数という。また階級に分けてつくった度数分布のモードは、度数が最大である階級の階級値をいう。
代表値として何を採用するかはそれぞれの場合に応じて考える。普通は代表値として相加平均が使われることが多い。しかし資料がたとえば指数に関するものであるときは代表値として相乗平均をとることがある。また洋品店で売れるシャツのサイズの代表値としてはモードをとるのが適当であろう。
[古屋 茂]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 ASCII.jpデジタル用語辞典ASCII.jpデジタル用語辞典について 情報
…その後現れた同じくイギリスの数学者K.ピアソンも,相関と回帰の理論をより数学的に発展させ,それを計量生物学に応用した。こうした人たちの努力で20世紀の初めになって,多数の資料を整理してその分布を得,分布の代表値としての平均値や分散を求め,さらにグループ間の相関係数によって相互関係を調べる記述統計学は一応まとまった学問体系となった。記述統計学の基礎概念は次のようなものである。…
※「代表値」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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