モード(英語表記)mode

翻訳|mode

精選版 日本国語大辞典 「モード」の意味・読み・例文・類語

モード

〘名〙 (mode)
① 様式。方式。形式。〔新しき用語の泉(1921)〕
シーズンに先がけて創作されたファッション。また、ファッションの流行の型。
※銀座細見(1931)〈安藤更生〉二「彼女達のモオドに対する感覚は常に新聞記事より一歩遅れてゐる」
③ ラテン詩の韻律にもとづくリズムモード記譜法
⑤ 統計資料の代表値の一つ。度数分布表で度数の最も多い値のこと。最頻値並数。〔改訂増補や、此は便利だ(1918)〕

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デジタル大辞泉 「モード」の意味・読み・例文・類語

モード(mode)

方法。様式。形式。「エアコンの除湿モード
シーズンに先がけて作られたファッション。「ニューモード
音楽で、旋法。音階。中世ヨーロッパでは、リズムの特定パターンを意味することもあった。
統計の度数分布表で、度数の最も大きい数値、あるいは、階級値。最頻値。並数なみすう
(比喩的に)そのような気分・状態。「仕事モード」「お疲れモード
[類語]流行はやり流行はや時好好尚時流風潮流行りすた一世を風靡ふうびするトレンディートレンドファッションブーム

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改訂新版 世界大百科事典 「モード」の意味・わかりやすい解説

モード
mode[フランス]

ラテン語のモドゥスmodusに由来し,方法,様式,形式などを意味する。今日では服装についても使われるようになり,ア・ラ・モードà la modeといえば流行の様式のことを指すようになった。英語のファッションとほとんど同義である。また服装についての新しい型を発表することを,フランス語ではコレクションというのに対し,英語ではファッション・ショーといい,日本でもファッションの語が一般に言いならわされている。モードに流行の語義が含まれはじめたのは,イタリアでは15世紀,フランスでは16世紀,イギリスでは17世紀からとされている。服装の歴史のうえで,15世紀から16世紀はルネサンスの思潮や地中海貿易の拡大などによって,イタリアのモードがフランスをはじめ他国に大きな影響を与えた時代であった。続く17~18世紀はフランスの宮廷文化の下で独自のモードが形づくられ,パリの宮廷モードはヨーロッパ諸国の中心を占めるようになる。これら貴族社会のモードの伝統を受けながら,近代的でより広範囲の産業にまで広めていったのが19世紀フランスにあらわれたオート・クチュールのデザイナーたちであった。限られた階級のモードは,彼らによってしだいに一般化され,とくに第2次大戦後には世界中に広まっていった。
執筆者:

モード
mode

最頻値または並数ともいう。母集団でもっとも頻繁に生ずる値。単峰な母集団分布では密度関数頂点を与える値で直観的にわかりやすく,平均分散とともに母集団の特性を表す母数の一つとして用いられる。標本度数分布の場合にも度数最大に対応する観測値をモードという。ヒストグラムの場合は度数最大のクラスの代表値をモードという。
執筆者:

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「モード」の意味・わかりやすい解説

モード
Maude, Cyril Francis

[生]1862.4.24. ロンドン
[没]1951.2.20. デボンシャー,トークウィー
イギリスの俳優,劇場支配人。 1884年アメリカでデビュー,86年帰国し,95年『第二のタンカレー夫人』のドランメル役で成功。後年は『ペール・ギュント』などの映画にも出演。 96~1905年ヘイマーケット劇場の共同支配人となり,妻エメリーの主演作品などを上演,また長年ロイヤル演劇アカデミーの校長をつとめた。著書に『ヘイマーケット劇場』 The Haymarket Theatre (1903) ,『シリル・モードの舞台裏案内』 Behind the Scenes with Cyril Maude (27) などがある。

モード
mode

服飾用語で,流行,型を意味するフランス語。複数形で流行の婦人服,子供服として使われる。アメリカや日本の一部では,ファッションのなかでの特定のものをさす場合もある。たとえばオートクチュールのスタイルをパリモードといい,これに対して,一般大衆化した流行をファッションという場合などである。

モード

マティルダ」のページをご覧ください。

モード

最頻値」のページをご覧ください。

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岩石学辞典 「モード」の解説

モード

岩石の実際の鉱物組成を,重量比または容量比で測定した定量的な表現[Cross, et al. : 1902].岩石のモードの測定は歴史的に様々な方法が行われ,鉱物重量比で表す方法と鉱物容量比で表す方法があるが,現在では薄片を用いて測定する方法(鉱物容量比)が最もよく行われている[Rosiwal : 1898, Shand : 1916, Chayes : 1949, 1956].

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ASCII.jpデジタル用語辞典 「モード」の解説

モード

値統計処理における代表値のひとつ。複数の数値の集合で、もっとも頻出する値のこと。代表値作業状態作業状態を表す用語。たとえば、ワープロソフトでは上書きモードと挿入モードの2つのモードを使い、入力の方法を切り替えられる。上書きモード挿入モード

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世界大百科事典(旧版)内のモードの言及

【ファッション】より

…フランス語のfaçonからきていることばで,もののやり方を意味していた。フランスではモードmodeということばを使っている。服のつくり方,着方,その流行といったものをあらわすようになるのは16世紀以後で,ルネサンス期から,服装についての関心が高まったことを示している。…

【モード】より

…ラテン語のモドゥスmodusに由来し,方法,様式,形式などを意味する。今日では服装についても使われるようになり,ア・ラ・モードà la modeといえば流行の様式のことを指すようになった。英語のファッションとほとんど同義である。また服装についての新しい型を発表することを,フランス語ではコレクションというのに対し,英語ではファッション・ショーといい,日本でもファッションの語が一般に言いならわされている。…

【ファッション】より

…フランス語のfaçonからきていることばで,もののやり方を意味していた。フランスではモードmodeということばを使っている。服のつくり方,着方,その流行といったものをあらわすようになるのは16世紀以後で,ルネサンス期から,服装についての関心が高まったことを示している。…

【服装】より

…また50年には繊維産業の復活でギンガム,エバーグレーズなど新しい服地が生まれ,51年には国産のナイロン・ストッキングが売り出された。50年代からフランスのモード界との交流が盛んになりはじめ,日本にも紹介され,ファッション・ショーの開催,そしてファッション・モデルが誕生する。また《赤い靴》や《麗しのサブリナ》など映画のファッションがとり入れられ流行した。…

※「モード」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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