ヤマキチョウ(英語表記)Gonepteryx rhamni

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

ヤマキチョウ
Gonepteryx rhamni

鱗翅目シロチョウ科。前翅長 33mm内外。前翅端は鎌状に突出し,後翅外縁後方 (第3脈端) が弱くとがる。翅色は雄では濃黄色,雌では青色がかった黄白色で,ともに前後翅中央に橙赤色の小点があり,前翅の前縁と外縁は細く赤褐色に縁どられる。成虫は年1回,7~8月に出現する。成虫で越冬し,翌春産卵する。幼虫はクロウメモドキ科クロツバラを食べる。ユーラシア大陸,北アフリカに分布し,日本では本州の東北・関東・中部地方に局地的に産する。日本産は亜種 G. r. maximaという。近縁のスジボソヤマキチョウ G. aspasiaはヤマキチョウに比べて翅が薄い感じで翅端はより鋭くとがり,翅縁の縁どりが弱い,などの点で区別される。朝鮮,台湾,ウスリー,中国,チベット,ヒマラヤ,インドに分布する。日本産は亜種 G. a. niphonicaといい,本州,四国,九州に産するが,本州中部以西では山地にすむ。

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百科事典マイペディアの解説

ヤマキチョウ

鱗翅(りんし)目シロチョウ科の1種。開張65mm内外,雄はあざやかな黄色で前後翅の中央にだいだい赤色紋があるが,雌は緑白色。本州中部と北上高地,海外では朝鮮,中国,ヒマラヤからヨーロッパに分布。幼虫はクロツバラなどの葉を食べ,成虫は夏に現れ,成虫で越冬する。近縁種スジボソヤマキチョウは前翅端のとがりが強く,本州,四国,九州の山地に広く分布する。絶滅危惧IB類(環境省第4次レッドリスト)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

ヤマキチョウ
やまきちょう / 山黄蝶
brimstonecommon brimstonesulphur
[学]Gonepteryx rhamni

昆虫綱鱗翅(りんし)目シロチョウ科に属するチョウ。日本では長野県・山梨県を中心とする本州中部より関東地方西部から北西部にわたる地域と東北地方の一部(岩手県および青森県の南東部)に産し、本州の特産種。国外では朝鮮半島、中国北部よりヨーロッパにわたりユーラシア大陸の北・中部に広く分布する。はねの開張は66ミリ程度。雄のはねの地色は濃黄色、雌では青白色。前はねの先端は雌雄ともに鉤(かぎ)状に突出する。和名は「山にすむキチョウ」の意で、その山地性であることを示している。成虫態で冬を越し、越冬母チョウはクロツバラ(クロウメモドキ科)の若葉に産卵し、これより孵化(ふか)した幼虫が成虫になるのは7、8月で、年一化の経過をとる。[白水 隆]

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