ライノタイプ(その他表記)Linotype

翻訳|Linotype

デジタル大辞泉 「ライノタイプ」の意味・読み・例文・類語

ライノタイプ(Linotype)

欧文の自動活字鋳植機の一種の商品名。原稿に従ってキーを押すと、相当する母型が下りてきて整列し、1行分まとめて活字塊を鋳造するもの。

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精選版 日本国語大辞典 「ライノタイプ」の意味・読み・例文・類語

ライノタイプ

  1. ( Linotype ) アメリカ製の鋳植機(ちゅうしょくき)の商標名。活字を一本ずつ鋳込むモノタイプに対し、活字母型を一行分ずつ集合させて、まとめて鋳込む型式の鋳植機。ライノ。
    1. [初出の実例]「僕は、忌々しいが、日本にライノタイプ所かタイプライターもないと答へたが」(出典:大英游記(1908)〈杉村楚人冠〉本記)

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改訂新版 世界大百科事典 「ライノタイプ」の意味・わかりやすい解説

ライノタイプ
Linotype

欧文活字を自動的に1行分鋳造する機械。いわゆる自動鋳植機の一種であるが,1字ずつ鋳造するモノタイプと違って1行分ずつ鋳造するのが特徴となっている。これとほとんど同じ機構のものにインタータイプIntertypeがあり,主として新聞雑誌組版に使用されるが,しだいに電算植字に移行する傾向にある。ライノタイプはドイツ生れのアメリカ人マーゲンターラーOttmar Mergenthaler(1854-99)によって発明されたもので,1886年ニューヨーク・トリビューン新聞社で公開され,世界的センセーションを呼び起こした。それまで活版組版の機械化を多くの人が試みたがいずれも実用にならなかったところに画期的な考案がなされたからである。

 オペレーターが原稿を読みながらキーを押すと,その文字を刻んである母型が貯蔵庫から下りてきて次々に並び1行分に近くなったところで鋳造し,用済みの母型は上昇してもとの貯蔵庫に戻り再使用に備える。毎時1万5000字から1万8000字を鋳植でき,テレタイプセッターを付設すると,テレタイプのテープによって無人鋳植が可能となる。一時新聞・雑誌の組版に大いに使用されたが,電算植字法に押され衰微した。
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百科事典マイペディア 「ライノタイプ」の意味・わかりやすい解説

ライノタイプ

活字自動鋳植機の一種。ドイツ生れの米国人マーゲンターラーOttomar Mergenthalerが発明したもので,欧文の活版に使用される。1字ずつでなく,1行分をまとめて鋳造するのが特徴で,新聞や雑誌など1行の長さが比較的短く,差しかえや訂正の少ない組版に使用された。毎時1万5000〜1万8000字という高能率を示したが,オフセット印刷主流となった現在は,電算植字法の普及により衰微した。
→関連項目植字モノタイプ

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ライノタイプ」の意味・わかりやすい解説

ライノタイプ
linotype

欧文用の鋳植機の一種。 1900年頃にアメリカの O.マーゲンターラーが発明完成したもの。和文の場合とは違い,欧文はアルファベット 28文字とそのバリエーションにすぎない。そのため1文字ずつ鋳造するのではなく,活字母型を1行分操作して,1行分これに溶融地金を流し込み鋳造する方式をいい,この1行分ずつという意味から,ライノタイプの名称が生れた。操作方法はタイプライタと同じで,打鍵すると自動的に完成活字ができてくるもので,新聞社を中心に,欧米では広く普及している。

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世界大百科事典(旧版)内のライノタイプの言及

【自動鋳植機】より

…活字を自動的に選び,鋳造し,版に組む機械。和文鋳植機と欧文鋳植機とに分けられ,さらに鋳造される活字が1個ずつのモノタイプMonotypeと,1行が一塊となって鋳造されるライノタイプLinotypeとに分けられる。活版は活字の手拾い(文選)と組み(植字)の手作業に依存しているので,活字を鋳込みながら組んでいく機械が要求されていた。…

【自動鋳植機】より

…活字を自動的に選び,鋳造し,版に組む機械。和文鋳植機と欧文鋳植機とに分けられ,さらに鋳造される活字が1個ずつのモノタイプMonotypeと,1行が一塊となって鋳造されるライノタイプLinotypeとに分けられる。活版は活字の手拾い(文選)と組み(植字)の手作業に依存しているので,活字を鋳込みながら組んでいく機械が要求されていた。…

※「ライノタイプ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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