音楽用語。「繰り返し句」「反復句」などと訳される。現在ではフランス語のまま「ルフラン」とよばれることも多い。
有節形式の詩句を歌詞にもつ声楽曲において、一定の間隔をあけて規則的に繰り返される同一の詩行をさす。この詩行は通常一行から二行で、この部分では歌詞だけでなく音楽もまったく同じとなっている。これに対し、変化する部分はスタンザstanza(英語)、バースverse(英語)、クープレcouplet(フランス語)などとよばれ、たいていの場合、その各部分の後ろにリフレインが置かれる。その結果、不変の部分と変化の部分の対立および不変の部分の反復によって、声楽曲に変化を内包した統一の原理が与えられることとなる。
歴史的にみれば、リフレインの概念は初期キリスト教音楽、なかでもアンティフォナ(交誦)やレスポンソリウム(応誦)までさかのぼることができるが、この形式がもっとも発展を遂げたのは中世の世俗曲においてである。とくに12~13世紀のフランスで流行した三つの形式、つまりトルーバドゥールやトルベールらの吟遊詩人によって作曲されたバラード、ロンドー、ビルレーでは、リフレインは重要な意味をもっている。
なお器楽曲においては、ある楽曲のなかで規則的に繰り返される部分があれば、それをさしてリフレインの用語が用いられることがある。ウィーン古典派以降のロンド形式の楽曲に含まれる繰り返し部分は、そのもっとも顕著な例である。
[黒坂俊昭]
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…(2)イギリスのエリザベス朝時代の演劇で,前口上や結びの口上を語る語り手のこと。(3)有節歌曲の繰返し(リフレイン)部。独唱者が歌う部分に対して,リフレインは合唱で歌われることが多いことからきている。…
※「リフレイン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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