リフレイン(読み)りふれいん(英語表記)refrain 英語

デジタル大辞泉 「リフレイン」の意味・読み・例文・類語

リフレイン(refrain)

リフレーン

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精選版 日本国語大辞典 「リフレイン」の意味・読み・例文・類語

リフレイン

〘名〙 (refrain)
韻文で、同じ句を繰り返して用いること。また、その部分。特に、一節の終わりの繰り返しをいうこともある。畳句ルフラン
大川端(1911‐12)〈小山内薫〉二〇「リフレエンのやうに入れる『ヘッチョイ、ヘッチョイ』といふ掛声で」
音楽で、先行の節と同じ旋律を繰り返して、前節反復・強調し、それに対立しながら全体を形式的に統一する楽句。ルフラン。
伸子(1924‐26)〈宮本百合子〉四「ボロンボロンボロンと三重音のリフレインをつけるわけなのだから」

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「リフレイン」の意味・わかりやすい解説

リフレイン
りふれいん
refrain 英語
refrain フランス語
Kehrreim ドイツ語
ritornello イタリア語
ripresa イタリア語

音楽用語。「繰り返し句」「反復句」などと訳される。現在ではフランス語のまま「ルフラン」とよばれることも多い。

 有節形式の詩句を歌詞にもつ声楽曲において、一定の間隔をあけて規則的に繰り返される同一の詩行をさす。この詩行は通常一行から二行で、この部分では歌詞だけでなく音楽もまったく同じとなっている。これに対し、変化する部分はスタンザstanza(英語)、バースverse(英語)、クープレcouplet(フランス語)などとよばれ、たいていの場合、その各部分の後ろにリフレインが置かれる。その結果、不変の部分と変化の部分の対立および不変の部分の反復によって、声楽曲に変化を内包した統一の原理が与えられることとなる。

 歴史的にみれば、リフレインの概念は初期キリスト教音楽、なかでもアンティフォナ(交誦)やレスポンソリウム(応誦)までさかのぼることができるが、この形式がもっとも発展を遂げたのは中世の世俗曲においてである。とくに12~13世紀のフランスで流行した三つの形式、つまりトルーバドゥールやトルベールらの吟遊詩人によって作曲されたバラードロンドー、ビルレーでは、リフレインは重要な意味をもっている。

 なお器楽曲においては、ある楽曲のなかで規則的に繰り返される部分があれば、それをさしてリフレインの用語が用いられることがある。ウィーン古典派以降のロンド形式の楽曲に含まれる繰り返し部分は、そのもっとも顕著な例である。

[黒坂俊昭]

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百科事典マイペディア 「リフレイン」の意味・わかりやすい解説

リフレイン

ルフラン(フランス語)ともいう。繰返し,折返し。有節形式の詩で,各節の後に繰り返される句。聖歌,賛美歌などでは,各節はソロで歌われ,リフレインの部分が会衆一同で唱和されることも多い。→ロンド
→関連項目シャンソン

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世界大百科事典(旧版)内のリフレインの言及

【コーラス】より

…(2)イギリスのエリザベス朝時代の演劇で,前口上や結びの口上を語る語り手のこと。(3)有節歌曲の繰返し(リフレイン)部。独唱者が歌う部分に対して,リフレインは合唱で歌われることが多いことからきている。…

※「リフレイン」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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